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コールセンター DX が必要な理由とは? オペレーターの負担を軽減できるソリューションを紹介

2023 年 7 月 24 日

顧客からの問い合わせ対応を行うコールセンターは、顧客満足度を高めるうえで欠かせない存在です。近年では、コールセンターの人手不足が深刻化しオペレーターの負担が大きくなっているため、コールセンターのデジタルトランスフォメーション (以下、DX) の必要性が高まっています。

コールセンターの DX を実現すれば、コールセンターのさまざまな課題を解決でき、オペレーターの負荷軽減や社員のワーク ライフ バランスの実現につながるでしょう。コールセンター DX を推進するためには、企業の課題に適したソリューションを導入する必要があります。

本記事では、コールセンター DX を実現するソリューションや、実際にコールセンター DX を進めていく流れについて解説します。

1. コールセンターでよく見られる課題 3 選

はじめに、コールセンターでよく見られる課題について解説します。

1-1. オペレーターが不足している

顧客からの問い合わせ数に対して、オペレーターの数が不足しているケースが多く見られます。コールセンターへの問い合わせ方法は、電話以外にメールやチャットなどもあり、従来よりも顧客側の利便性は向上しました。しかし、問い合わせチャネルが増えたことにより、コールセンターの業務は複雑化しているのが現状です。業務が複雑化することで適材な人材の確保が難しくなるため、オペレーター不足につながっています。

オペレーターが不足しているコールセンターでは、「電話がつながりにくい」「顧客の待ち時間が長くなる」といったデメリットが発生します。コールセンターの品質が低下すれば、企業全体の評価が下がるおそれもあるでしょう。

1-2. 対応できる時間が限られている

多くのコールセンターでは、対応できる時間が限られています。受付時間を拡大し、24 時間体制で顧客の問い合わせに対応するには、人件費や深夜勤務の割増賃金など、多種多様のコストが発生するためです。人件費が大きな負担となり、なかなか対応時間の拡大に踏み切れていない企業は少なくありません。

さらに、オペレーターが不足している状況の中での問い合わせチャネルの拡大も課題です。
問い合わせチャネルが増える一方、限られた営業時間内ですべての問い合わせに対応することは困難です。その結果、オペレーターの応対品質の低下につながるケースが見られます。

1-3. オペレーターの応対品質にばらつきがある

オペレーターの応対品質にばらつきが出やすい点も、コールセンターにおける課題の 1 つです。コールセンターの規模が大きくなり、オペレーターの人数が増えるほど、応対品質の均一化は難しくなります。特に、業務が複雑化しているコールセンターでは、仕事を覚えるまでに時間がかかるため、新人のオペレーターと熟練のオペレーターで応対品質に差が出やすくなるでしょう。オペレーターの応対品質にばらつきが出ると、顧客満足度にも影響が及ぶリスクがあります。

2. コールセンター DX を推進するメリット

このような課題の解決に効果的なのが、デジタル技術を活用して顧客対応や管理業務を自動化するコールセンター DX です。コールセンター DX を推進することで、以下のようなメリットを享受できます。

メリット 1:スムーズな対応が可能となる

コールセンター業務のDX業務が効率化すれば、オペレーターが不足している状況でも業務負担が軽減され、スムーズな問い合わせ対応が可能となります。また、少ない人員で対応できるようになるため、人件費の削減も見込めます。

メリット 2:顧客満足度の向上

AI を活用したツールの導入により、サービス提供時間を拡大できるため、顧客満足度の向上につながります。その結果、顧客満足度の向上にも貢献できるでしょう。

メリット 3:応対品質の向上

顧客データの一元管理が可能なツールを活用することで、顧客に対してよりスピーディかつ的確な応対が可能です。また、オペレーターの品質も一元的に可視化されるため、品質をモニタリングし改善することができます。オペレーターの応対品質を均一化できれば、企業のイメージアップにもつながります。

3. コールセンター DX を実現するソリューション、活用例

コールセンターの DX を推進するためには、ソリューションの活用が欠かせません。この章では、コールセンター DX を実現するソリューションと、その活用例を紹介します。

3-1. コールセンターでの注文および予約作業を自動化する「ボイスボット」

ボイスボットとは、AI による音声自動応答サービスを指します。話した言葉をテキストに変換して、最適な回答を音声で伝えるしくみです。ボイスボットを導入すると、コールセンターでの注文および予約作業を自動化できるため、人による対応が不要になります。人件費を削減でき、夜間の応対も可能になる点が魅力です。

3-2. 顧客と応答しながら解決策を提示する「チャットボット」

チャットボットによる問い合わせ対応のイ

チャットボットとは、チャット (会話) とボット (ロボット) を組み合わせた言葉で、ユーザーからの質問に自動で返答する自動会話プログラムのことを指します。
近年、AI を活用した高精度なチャットボットも増えており、従来よりも柔軟性のある回答が可能になりました。
コールセンターには、顧客自身で解決できる簡単な問い合わせも多く寄せられます。チャットボットで顧客に自己解決を促すことで、電話による問い合わせ数を大きく減らせるでしょう。
チャットボットは、24 時間 365 日いつでも問い合わせ対応が可能なため、顧客が利用しやすい点も大きなメリットです。

3-3. 適切な回答ができる部署、オペレーターに繋げる「IVR」

IVR (インタラクティブ ボイス レスポンス) とは、コンピューターによる自動音声応答システムを指します。IVR は、かかってきた電話に対してコンピューターが自動応対し、指定のメッセージを再生したり、番号をプッシュさせて問い合わせ内容を振り分けたりすることで、問題解決に適切な部署やオペレーターに電話を繋げることが可能です。 これにより、オペレーター間での問い合わせ内容の共有や説明などを減らすことができ、オペレーターの負担軽減にも繋がります。

3-4. 顧客の基本情報や過去のやり取りなどを把握し表示できる「CRM」「CTI システム (Computer Telephony Integration)」

CRM と CTI システムのイ イラスト

CRM とは、顧客情報を一元管理するシステムのことです。顧客の基本情報や過去のやり取りなどを把握できるため、より質の高い応対につながります。顧客の行動パターンを分析し、必要としている情報や求めるサービスを即座に提供することも可能です。

CRM で取得した情報を即座に表示する役割を担うのが CTI システム (Computer Telephony Integration) です。CTI システムとは、企業内にあるコンピューターや電話などを統合する技術を指します。CTI システムと CRM を連携させることによって、CRM から検索した顧客情報を自動的に画面に表示させることが可能です。画面に表示された顧客情報 (過去の応対履歴など) を参考にして、質が高い顧客応対ができるようになります。

CRM や CTI システムを有効に活用することで、電話応対の効率化やコールセンター内の応対品質を均一化でき、顧客満足度の向上につながります。

3-5. 顧客の自己解決力を向上させてオペレーターの負担を軽減できる「FAQ ツール」

FAQ のイ イラスト

FAQ ツールとは、顧客からの「よくある質問」に対して回答を用意することで、担当部署へ質問せずとも自己解決できるしくみです。コールセンター向けの FAQ ツールは、「顧客が用の FAQ ページ」と「オペレーター用の FAQ ページ」の 2 タイプが存在します。

顧客が閲覧する FAQ ページは、問い合わせが多い質問をまとめて掲載することで、簡単な問い合わせをお客様自身が閲覧できるものです。問題の自己解決率が高まり、そもそものオペレーターへの問い合わせ数を少なくすることができます。ある自治体では、コロナワクチン接種の電話予約対応で、FAQ ページを追加し、窓口スタッフに問い合わせしなくても自己解決できるようにしました。FAQ ページを導入していない自治体と比較したところ、電話の問い合わせ件数を 25% 削減できたといった事例もあります。

一方、オペレーター用の FAQ ページは、電話応対をしているオペレーターが参照するための FAQ です。オペレーター用の FAQ を用意すれば、必要な情報を迅速に取得でき、顧客を長時間待たせることがありません。スピーディな問題解決を図れるため、コールセンター全体の応対品質が向上し、顧客満足度アップが期待できます。

昨今のコールセンターでは、業務量の複雑さや顧客対応のストレス、慢性的な長時間労働などが原因で、離職率が高まりつつあります。チャット ボットやボイス ボット、IVR は、オペレーターの業務負担を軽減するとともに、ワーク ライフ バランスの改善にもつながり、離職率の低減が期待できるでしょう。

日本の現場 DX を進める Microsoft 365

現場で働く従業員のデジタル トランスフォーメーション
デジタル トランスフォーメーションを実現した現場で働く従業員

4. コールセンター DX の進め方

コールセンター DX を推進するうえでは、どのような方法やスケジュールで進めていくかを企業全体で共有することが重要です。この章では、コールセンター DX の進め方を解説します。

4-1. ステップ 1:コールセンターの課題を可視化する

まずは、現状のコールセンターのオペレーションやマネジメントにおける問題や課題を洗い出しましょう。コールセンターでは、以下のような課題が多く見られます。

  • 顧客のクレームが多く顧客満足度が低い
  • 平均処理時間が長くなっているため、応答率が低下している
  • 過去の問い合わせ履歴を有効活用できていない

課題を明確化、可視化することで、どのようなソリューションが課題解決に有効なのかを検討できます。

4-2. ステップ 2:課題を解決できるソリューションを導入する

次に、DX 化したい業務に合わせて適切なソリューションを選定していきましょう。たとえば、オペレーター業務の効率化や負担軽減が目的の場合、チャット ボット、ボイス ボット、IVR などが有効です。オペレーター業務の品質を向上させたい場合は、CRM や FAQ ツールが適しています。

ソリューションの導入後は、オペレーターに対してツールの操作方法をレクチャーしていきます。さらに、ツール導入後にはどのような効果を得られたのかを検証し、よりスムーズなツールの活用方法を考えることで、品質の高いオペレーションを継続できるでしょう。

5. コールセンター DX を実現するマイクロソフトのソリューション

この章では、コールセンター DX を実現するマイクロソフトのソリューションを紹介します。

5-1. Microsoft Teams を活用して情報共有の迅速化、円滑化による業務効率化を実現

Microsoft Teams のアイコン

マイクロソフトのソリューションである Microsoft Teams を利用すれば、コールセンター内での円滑な情報共有が可能です。

Microsoft Teams は、メンバーとのチャットや資料の共有、通話やビデオ会議の開催など、幅広い機能を搭載しています。モバイル版のアプリも提供されており、過去のやり取りなど必要な情報をスムーズに検索できます。Teams の機能を有効に活用し、コールセンター内の情報共有を迅速化かつ円滑化できれば、業務効率化や顧客満足度アップなど、さまざまなメリットを享受できるでしょう。

参考: Microsoft Teams  の活用事例はこちらからご覧いただけます。
詳しくはこちら

日本の現場 DX を進める Microsoft 365 Web ページの

5-2. Microsoft Viva Sales で顧客対応時間の迅速化を実現

Microsoft Viva Sales は、営業担当者向けのアプリケーションです。CRM と連携してデータ入力を自動化したり、メールやデータ収集、入力などの作業を AI によって自動化かつ簡略化したりすることができます。手間が掛かる作業を AI にサポートしてもらうことによって、顧客対応時間の迅速化を実現できるでしょう。さらに、24 時間体制で顧客の問い合わせに対応できるため、顧客満足度の向上にもつながります。

5-3. Copilot との組み合わせで効率的なアプリケーション作成を実現

動画「Power Platform の次世代 AI が、ローコード ソリューションの開発方法を変える」 のキャプチャ

参考: Power Platform の次世代 AI が、ローコード ソリューションの開発方法を変える (YouTube)

マイクロソフトでは業務効率化につながる多くのソリューションを提供しており、近年では AI を組み合わせたリューションが続々と登場しています。
一例として、ローコード開発ツール「Power Apps」に会話型 AI「Copilot」を統合した「Copilot in Power Apps」が挙げられます。Copilot in Power Apps では、作りたいアプリに関するプロンプトを記述するだけで、簡単かつ効率的にアプリケーションの作成が可能です。

こちらの動画では、Microsoft Viva Sales に統合された Copilot を使ってお客様からの問い合わせや依頼の返信メールで使うコンテンツ候補を自動生成する機能を紹介しています。

動画「Microsoft Viva Sales の Copilot」のキャプチャ

5-4. Microsoft Power Virtual Agents でボットを構築し人員コスト削減を実現

Microsoft Power Virtual Agents のアイコン

Microsoft Power Virtual Agents は、あらゆる内容の複雑な会話にも対応する高性能なボットを構築できるソリューションです。AI によって強力なボットをすばやく作成でき、テストや公開などもスピーディに行えます。また、ボット構築や応答機能向けの GPT 機能 (プレビュー) の利用も可能です。

Power Virtual Agents を利用し、チャット ボットを作成することで、オペレーターの応対品質を均一化できます。さらに、業務効率化や人員コスト削減などの効果も期待できます。業務の効率化が実現すれば、コールセンター全体の品質を向上させる取り組みや施策立案などの作業に集中できるでしょう。

6. まとめ

コールセンターには、オペレーター不足や応対品質のばらつきなど、さまざまな課題が見られます。これらの課題を解決し、顧客満足度の向上につなげるためには、ソリューションの導入が有効です。Microsoft 365 F1 では、本記事で紹介した Microsoft Teams や Viva Sales、Power Virtual Agents などのソリューションを利用できます。コールセンター DX を推進するために、ぜひ導入を検討してみてください。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

デジタル トランスフォーメーションを実現した現場で働く従業員

日本の現場 DX を進める Microsoft 365

詳しくはこちら: 日本の現場 DX を進める Microsoft 365

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