新たな年がもたらす Microsoft Cloud for Sustainability の拡張機能
※本ブログは、米国時間 2023 年 1 月 26 日に公開された Extended capabilities with Microsoft Cloud for Sustainability (英語) の翻訳です。
2023 年の幕開けとともに、組織の改善と適応に役立つ、Microsoft Cloud for Sustainability の広範な新機能を発表いたします。これらの機能によって、組織はその業務における直接的な環境への影響だけでなく、サプライヤー、パートナー、サービス、およびインフラストラクチャでの影響も、より効果的に追跡し、削減することが可能になります。たとえば、英国の環境・食料・農村地域省 (DEFRA) の規制の順守を促進し、拡大するデータセンターの可用性を利用し、Microsoft Azure の炭素排出量データにより簡単にアクセスし、環境クレジット エコシステムの透明性を高めることができるようになります。マイクロソフトの他のすべてのサステナビリティ ソリューションと同様に、これらの機能はマイクロソフト自身のサステナビリティへの取り組みに基づいています。
通勤と製品の廃棄に関連するスコープ 3 の排出量が追跡可能に
継続的に重点が置かれている分野であるスコープ 3、つまり間接的なバリュー チェーンの排出量は、温室効果ガス排出の最大の要因の 1 つとなっています。マイクロソフトは 2030 年までにカーボン ネガティブを実現するという公約の達成に向けて、自身のスコープ 3 の排出量の透明性を拡大しています。また、この透明性をお客様に伝え、お客様もスコープ 3 の追跡を促進できるように、急速に革新を進めています。
スコープ 3 カテゴリ 7 — 従業員の通勤に関連する排出量の算定では、組織は通勤データを保存し、組み込みのスキーマに合わせて調整し、計算を実行できます。データの調整と計算のための追加設定不要な標準によって、排出量のより厳密な追跡が可能になるだけでなく、組織全体のカーボン フットプリントをさらに包括的に可視化できます。
Microsoft Cloud for Sustainability のソリューションの 1 つである Microsoft Sustainability Manager を使用すると、組織は交通手段に対する排出係数を参照しながら、一定期間に対する個々または複数の従業員の通勤に関連する排出量を計算できます。また、このデータを使用して、通勤効率および関連する排出量に関してレポートし、目標を設定して追跡することができます。
組織は、埋め立て地での製品の分解や、リサイクルなどのプロセスで発生するスコープ 3 カテゴリ 12 —廃棄活動からの排出量も追跡でき、原材料入手から出荷までから、原材料入手から廃棄までへと、排出量の追跡を拡張することができます。組織は Microsoft Sustainability Manager を使用して、廃棄物データを取り込み、処分方法および材料を追跡し、追加設定不要な標準またはカスタマイズした標準に基づいて排出量を計算できます。また通勤データと同様に、レポートおよび目標の追跡に、計算した廃棄活動データを使用できます。詳細については、スコープ 3 排出量の追跡をご覧ください。
Microsoft Cloud for Sustainability に新たに追加された排出係数には、スコープ 1 とスコープ 2 に対する DEFRA 2022 排出係数ライブラリなどがあります。このライブラリには、英国の電力網係数および主要な燃料源に対する係数が含まれます。組織はこれらの係数ライブラリを選択し、DEFRA の規制の順守をサポートするよう維持および更新される DEFRA データセットを利用できます。
Microsoft Sustainability Manager は、英国およびアジア太平洋地域の新しいデータセンター リージョンでの提供が開始されています。これらの新しいリージョンで展開するお客様は、現在の地域との親和性を維持しながら、パフォーマンスを向上させることができます。1
新しい Microsoft Cloud for Sustainability API のプレビューでは、マイクロソフトの検証済みのクラウド炭素方法論に基づき、組織の過去および現在の Microsoft Azure 炭素排出量データへの合理化されたアクセスが可能です。お客様はこの柔軟な API を使用して、排出量スコープ別、Azure サブスクリプション別、Azure サービス別、および Azure リージョン別の Microsoft Azure の使用量に関連する排出量を分析できます。このデータを自社のサステナビリティ ダッシュボードやアプリケーションと統合して接続することにより、クラウド使用量に関する的を絞った決定を促進でき、また管理者は API ポータルのアクセス許可設定を使用して組織全体で透明性を実現できます。詳細をご覧になり、API をお試しください。
Microsoft Cloud for Sustainability のマネージド サービスである Environmental Credit Service のプレビューでは、作成から無効化まで、環境クレジットの由来を追跡するための共通のインフラストラクチャを提供し、炭素クレジット エコシステムに新たなレベルの透明性をもたらします。
プレビューを試されるお客様は、サンドボックス環境で自身の役割に関連するクレジット ライフサイクルのシミュレーションを実行し、参加している他の組織と連携することができます。
また、重複するプロジェクトのチェックポイントにより、クレジットの二重計上がないかどうかも確認できるようになりました。これらのチェックポイントでは、ユーザーは提案されたプロジェクトが重複しているかどうか、また特定の環境貢献に対してすでにクレジットが主張されているかどうかを確認でき、クレジットの作成プロセスを合理化し、市場での整合性と信頼性を促進することができます。
Environmental Credit Service のプレビューを希望されるプロジェクト サプライヤー、クレジット発行レジストリ、検証者、および市場は、リクエストを送信することをお勧めします。
LinkedIn Learning の新しいコースワークでサステナビリティに関する知識を向上
レポートとコンプライアンス、カーボン アカウンティング (炭素排出量の算定)、サステナビリティのリーダーシップ、標準、ガイドライン、ベスト プラクティス、業界固有のユース ケースなどの、サステナビリティと環境、社会、ガバナンス (ESG) に関する複雑なトピックについての理解を深めることができます。Microsoft Cloud Solution Center の「Sustainability learning」で提供されている、無料の LinkedIn Learning コースをご確認ください。さまざまなサステナビリティの成熟度、スキル、および要件に応じた新しいコンテンツが近日中に提供される予定です。
さらに情報を先取りしたい方は、Microsoft Cloud for Sustainability の新機能と予定されている機能をご確認ください。また、最新情報を受け取れるようご登録ください。
1 適合性要件は組織や国ごとに異なります。組織ごとに自身の要件を確認する必要があります。