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業界

Microsoft Cloud for Sustainability で ESG を進めるためのイノベーションを促進

※本ブログは、米国時間 2022 年 10 月 12 日に公開された What’s new with Microsoft Cloud for Sustainability – Microsoft Industry Blogs の翻訳です。

気候変動の現実をますます痛感するようになり、規制は強化され、環境、社会、ガバナンス (ESG) の資産は年間 15% 以上も成長しています (2022 年 Bloomberg)。このような状況を受けて、組織はサステナビリティに関する進捗と機会の迅速な発展を目指していますが、進捗状況を記録し、報告することは多くの組織にとっていまだに難しい課題です。サステナブル変革を大規模に計測、監視するには、データ主導のソリューションが必要です。

マイクロソフトは、10 年以上にわたって自身の環境フットプリントを削減する活動 (資料をダウンロード) を行ってきた経験をもとに、他の組織のサステナビリティの進展を加速するべく、Microsoft Cloud for Sustainability を発表しました。パートナーからの支援により、マイクロソフトの拡張可能なプラットフォームに ESG 機能やリリース更新プログラムを追加し続けています。目的は、サステナビリティに関するデータ インテリジェンスを世界中の組織で一元化して、各組織の事業とバリュー チェーンの環境フットプリントを追跡、削減しやすくすることです。それでは新機能についてご紹介しましょう。

把握しにくいスコープ 3 の排出量データの管理

Microsoft Sustainability Manager では、スコープ 1 と 2 の排出量データに加えて、追跡しにくいスコープ 3 のバリュー チェーン間接排出量も保管して報告することができます。ほとんどの組織のフットプリントは、スコープ 3 の排出量が大部分を占めています。詳細については、スコープ 3 排出量の計算をご覧ください。

組織が正確な排出量を簡単に計算できるように、このソリューションには、スコープ 1 と 2 に加えて、スコープ 3 の 15 のカテゴリのうち今のところ半数以上の事前構築済みの計算方法が作成されています。最近追加された計算モデルには次のものがあります。

  • カテゴリ 5: 事業から出る廃棄物
  • カテゴリ 8: リース資産 (上流)
  • カテゴリ 13: リース資産 (下流)

この更新により、廃棄物データの取り込み、廃棄物パートナーの追跡、処分方法および材料の追跡、追加設定不要なモデル、または調整を加えたモデルによる必要な計算の実行を組織が行えるようになります。

また、お客様は、リース施設またはリース資産での事業から発生する燃料関連または電力関連の排出量も追跡し、活動や報告ニーズに応じて排出量を計算し、将来の効率向上や削減のために目標を設定し、追跡できるようになります。

お客様の取り組みの強化と拡大に貢献するその他の拡張機能

Microsoft Sustainability Manager には、使いやすさ、セキュリティ、目標の追跡機能を始め、多くの豊富な機能が追加されました。新しい機能により、ユーザー役割の割り当て機能やアクセス管理機能が拡張されたほか、実用性が向上したエラー メッセージによってエラー処理も改良されています。ユーザーは、毎月の成果を前年同月と比較したり、新しい詳細分析ページで組織単位別に排出源と活動にドリルイン (最大 6 階層まで) が可能になり、排出量の分析と理解を深めることができます。

スコアカードと目標では、サブ目標の追加と、目標のステータスに関する期限付きパラメーターの作成がサポートされるようになりました。たとえば、排出量が特定の期間内に特定のレベルに達すると目標に「順調」や「危険」と表示されるルールを作成することができます。

また、近々 Microsoft Sustainability Manager の提供を英国およびアジア太平洋のリージョンに拡大して、該当地域のお客様にもより良いサービスを提供する予定です。

これらの拡張機能などの詳細については、こちらをご覧ください。

データモデルの拡張により水データの追跡とより細かい設定が可能

公開されている Microsoft Cloud for Sustainability のデータ モデルは、一般的なデータ言語を使用してお客様のサステナビリティ データをクラウドで一元化でき、すでにお客様の計算と報告の作業を合理化するために使用されています。私たちは、このデータ モデルを更新して、研究所から流出する排出量や、電動車両への最新化による排出量といった独自の属性を取り込むカスタム エンティティを追加できるようにしました。これにより、お客様独自のビジネス ニーズに対応するように計算を調整することができます。

サステナビリティの課題に幅広く対応できるように組織を支援するという私たちの誓約に基づき、このたび水データ (英語) および炭素排出量データ用の Microsoft Cloud for Sustainability データ モデル スキーマを拡張しました。

データ モデルの詳細については、こちらをご覧ください。

Microsoft Cloud サービスの使用に伴う排出量の追跡がこれまでになく簡単

一般提供が開始された Emissions Impact Dashboard for Microsoft 365 で、組織は Microsoft 365 のコア サービス (Exchange Online、SharePoint、OneDrive、Microsoft Teams およびその他のサービスを含む) の使用に関連する排出量を定量化できます。このアプリでは、オンプレミス バージョンの Exchange や SharePoint の代わりにクラウドを使用することで、すでに回避できた排出量も推定できます。新しい炭素強度のタブでは、アクティブ ユーザー 1 人あたりの平均排出量をすばやく定量化し、一般的な他の排出源 (ガソリン車の走行など) と比較できます。発表についてはこちらをご覧ください (英語)

私たちは、Microsoft Azure のクラウド サービスの使用量に基づいてマイクロソフトのお客様がマイクロソフトで生成されたスコープ 1、2、3 の排出量を表示および分析できる、Emissions Impact Dashboard for Microsoft Azure を更新しました。新しい視覚表現により、Azure サブスクリプション、Azure サービス、Azure リージョンに基づいて、炭素排出量、クラウド使用量、炭素強度に関するレポートを簡単に確認できるようになりました。新しいオプションで、データのエクスポート サイズを削減しつつ、容易に情報を解釈してレポートを準備できるようになりました。

Microsoft Cloud for Sustainability のアプリケーション プログラム インターフェイス (API) のプレビュー版を近日提供することを発表します。API により、Azure のお客様がスコープ別、Azure サブスクリプション別、Azure サービス別、Azure リージョン別の排出量データに容易にアクセスして、クラウドの使用による炭素への影響に関する透明性を得られるようにします。API は、Microsoft Cloud Solution Center のセルフサービス ポータルから利用できます。

ESG 資産のエンドツーエンドのライフサイクル追跡を可能にする Environmental Credit Service のプレビュー提供を開始

炭素市場を含む自発的な環境市場は、ネット ゼロへの道のりにおいて組織から求められる炭素クレジットのような、信頼できて追跡可能な環境製品への需要の高まりに応えるために、市場を成熟させて規模を拡大しようとしています。

Environmental Credit Service では、サプライ エコシステムの最適化に役立つ共通インフラストラクチャ (英語) を使用して、こうした課題を克服しています。このサービスは、環境保護プロジェクトの責任者、検証者、登録機関が使用しているライフサイクル プロセスを自動化、簡素化して、セキュリティを向上させることで、商品化時間の短縮およびクレジットの質と量の向上を支援し、最終的にはクレジットの購入者に、より大きな自信を与え、市場の勢いを加速します。新たな詳細情報の発表をお待ちください。

パートナーとの緊密な連携による前進

サステナビリティの課題への取り組みは、世界的に行われています。マイクロソフトは、拡大し続けるパートナー エコシステムに感謝しています。このエコシステムにより、Microsoft Cloud for Sustainability ソリューションを提供して、データの可能性を解き放ち、影響を削減する取り組みを策定し、よりサステナブルな成果を生み出せるようにお客様を支援しています。

たとえば、McKinsey (英語) は、Microsoft Sustainability Manager のサステナビリティ データ インテリジェンスと、McKinsey Sustainability の Catalyst Zero を使用する脱炭素化計画と実行エンジンを組み合わせた統合ソリューションの作成を先日発表しました。この技術的コラボレーションでは、排出を伴う活動からのデータを、排出を抑える取り組みに結び付けることにより、企業のサステナビリティ変革を強化します。

オンラインの学習パスでサステナビリティに関する最先端の知識を習得

サステナビリティが組織に与える影響や、組織が環境への影響を削減する方法について常に最新の情報を入手するために、マイクロソフトは、Microsoft Cloud Solution Center からサステナビリティ関連の LinkedIn Learning モジュールや Microsoft Cloud for Sustainability 学習パスを利用することをお客様にお勧めしています。また、Well-Architected Framework (英語) に新しい技術ガイダンスを導入し、Azure でサステナビリティ目標を実現する方法をお客様やパートナーが学習できるようにしています。

マイクロソフトは、マイクロソフトとパートナーの機能を統合することにより、組織が環境フットプリントを管理するために必要な透明性と洞察を獲得し、組織とバリュー チェーン全体にサステナビリティを組み込み、価値創出のための戦略的なビジネス投資を行えるようにしています。

これらの新機能の開発、そしてそれらの機能によって実現される今後のイノベーションについて非常に期待しています。よりサステナブルな未来を築くために世界中の組織を支援する新しい方法を今後も展開していくので、常に最新情報を確認してください (英語)


1ESG May Surpass $41 Trillion Assets in 2022, But Not Without Challenges, Finds Bloomberg Intelligence (英語)