Power BI を活用し、大学病院が効率的な経営分析と意思決定を実現。香川大学 デジタル ONE アンバサダー活動報告会より
2023 年 4 月 21 日、香川大学は『令和 4 年度 デジタル ONE アンバサダー活動報告会』を開催しました。
香川大学は 2022 年 5 月 20 日より日本マイクロソフトと連携協定を締結し、昨今ニーズが高まっている DX 推進人材の育成を通して大学改革と地域活性化に取り組んでいます。
本報告会では、香川大学の各部署が取り組んできた実際の成果が共有されるとともに、Power Platform をはじめとする Microsoft 製品による業務効率化や DX の奥行きと可能性を感じさせるものとなりました。
各部署での主体的なDX推進のために「デジタル ONE アンバサダー」を設置
香川大学は学内の DX を推進するため、全学の事業部門の職員を対象に DX 推進人材を選出し、「デジタル ONE アンバサダー」として任命する制度を 2022 年 4 月より開始しました。
任命されたアンバサダーは、香川大学 DX 推進研究センターが開催するローコード/ノーコードツールを用いた業務システム開発ハンズオンなどを受講して開発するスキルを身に着けたのち、主体的に各職場の DX 推進に取り組んでいます。
2022 年度、香川大学では 100 件を超えるデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する取り組みが行われました。
本報告会では、昨年度 67 人が活動した中で、特に DX 推進に貢献した 10 人のアンバサダーを選び、それぞれが、実際にどんな DX を行ったか、取り組み事例を発表しました。
Power BI を活用し、大学病院が効率的な経営分析と意思決定を実現
最優秀に選ばれたのは、医学部経営企画課の浪越俊介さんが手がけた「Power BI を使用した経営指標資料の作成および Teams での情報共有」です。
Power BI とは、マイクロソフトが提供するビジネスインテリジェンスツールです。データを集約し、視覚的に分析しやすいダッシュボードやレポートを作成できます。多様なデータソースからのデータを統合し、リアルタイムのデータ更新も可能です。直感的なドラッグアンドドロップの操作でデータを視覚化し、インタラクティブなレポートを作成できます。ビジネスの洞察を得るための優れたツールであり、データ駆動の意思決定を支援します。
浪越俊介さんが手がけた取り組みでは、診療報酬の加算につながる指標の分析や、入院患者の住所分布から地域連携の強化を検討するなど、Power BI を使うことで効率的な経営分析と意思決定ができるため、短期間で多岐に渡る経営課題に取り組むことが可能になりました。
医学部 経営企画課 浪越俊介さん
「経営企画課なので数字を使った指標を多く出さないといけないが、よくあるのが同月比較など点だけで見ていることが結構多かった。前後で推移を確認することが結構重要で、過去がどうだったかを見ることが多いが、それぞれのファイルを参照しないといけない状況でした。それを 1 個のファイルですべて時系列を変更しながら確認できることが業務短縮という意味でどうしても必要で何かツールがないか探していた時に Power BI に行き着きました。」
データ駆動による大学経営へ
本報告会では、他にも業務効率が画期的に改善された事例として、「入学手続き問い合わせチャットボット」「ID 登録申請自動化」「オンライン決済フロー」などが発表されました。
本報告会の最後に、情報戦略室長の松木則夫 副学長は、「業務に対する考え方へのチャレンジをするキーパーソンになっていただきたい。」と締めくくりました。
香川大学は、DX 推進のために、引き続きデジタル ONE アンバサダーの活躍を支援すると同時に、デジタル化によって蓄積されたデータを可視化する取り組みを新たにはじめ、データ駆動による大学経営を進めていく取り組みも始めようとしています。