スマートビルディングが効率的かつ安全で持続可能な理由

※本ブログは、米国時間 2022 年 6 月 7 日に公開された Why the future of buildings is efficient, safe, and sustainable の翻訳です。

私は、人生を通じて、仕事、レジャー、教育の目的で、多くの場所を訪れました。多くの場合、家族と一緒ですが、一人の時もありました。バルセロナ、ブエノスアイレス、オースティン、クリーブランド、ドーハ、テルアビブにいる場合でも、マンハッタンを散策しながら自宅に向かう途中でも、建造環境の多様性にはいつも驚かされます。

当然ながら、都市は、都市が作られた時代や、都市が反映する文化や建築の違いによって、見た目が異なります。たとえば、ローマと東京を見間違えることはありません。

しかしながら、世界中のこれらの都市を運営する人々は同じ課題を抱えています。それは、住民や訪問者により優れたサービスを提供する方法です。都市のリーダーや計画担当者は、生活の質、仕事の未来、アクセシビリティ、または持続可能性のいずれを向上させる場合でも、将来どうなるかや最善の準備方法について深く考えています。

私は、今年初めに投稿した記事で、アクセシビリティのためにインフラストラクチャを再構築する (英語) 今のチャンスを逃すことはできないと書きました。これは、私たちが住み、働き、学び、そしてレジャーを楽しむ建物にも当てはまります。

とりわけ、建物は単独では存在していません。私は、都市を自然環境と区別するさまざまな構造を表す包括的な表現として “建造環境” という用語を使用しています。今後、建物がより大規模なインフラストラクチャ システムのシームレスな一要素として機能するようになったとき、最大のメリットが実現されるでしょう。

よりアクセスしやすいエクスペリエンス

舞台裏の作業は、その場所で働く人や、その場所を訪問する人の目につかないようにする必要があります。重要なのはエクスペリエンスです。つまり、スペースや建物の出入りがどれほど容易でアクセスしやすいか、どれほど快適に作業を行えるか、どれほどシームレスに訪問できるかが重要になります。人々は障壁を取り除き、優れたエクスペリエンスを実現することを求めており、テクノロジはこれを実現するより効果的な方法を提供します。

しかし、これはどのように実現されるのでしょうか。では、どのように実現されるのか、スポーツ イベントに行くという楽しい例で考えてみましょう。

• ニューヨークのマジソン スクエア ガーデンなどの競技場は、複数の主要交通網に接続されているため、人々はニーズに最も合う交通手段を利用できます。
• 簡単にスキャンできるチケットにより、人々は列を素早く進むことができます。これにより、ファンや従業員の利便性を向上できます。
• バリアフリーのスペースにより、あらゆる人が容易かつ快適に目的地まで行くことができます。
• 非接触型決済により、売店の列を短くし、流れを速くすることができます。
• 強力な接続により、数千人もの人々がデバイスを利用できます。

データによる業務の改善

ヒースロー空港 (英語) は、データによる分析情報を利用して、空港の利用客の流れを改善しています。これにより、飛行機のターンアラウンド時間がより合理化され、空港と航空会社の大幅な効率化とコスト削減が実現されています。これは、利用客と空港で働くスタッフの両方に、直接良い影響を及ぼします。

セキュリティから空調や照明に至るまで、日常業務には相当なコストがかかります。効率化とコスト削減を実現する最速の方法は、データを利用して、情報に基づいた意思決定を迅速に行うことです。これは、現在のテクノロジや建築条件に合わせて作られていない古い建物において特に重要になります。つまり、業務の改善の第 1 のルールは、優先度の高いユース ケースに変更やアップグレードを適用する必要があるということです。

より安全な職場の実現

建物は、人々の働き方にも大きな影響を与えます。たとえば、物理的な職場は従業員のコラボレーション能力に影響を及ぼします。したがって、従業員のニーズにいつでも対応し、出入りや移動を容易に行えることを意図した職場を実現する必要があります。

新型コロナウイルスの流行が始まってからの政府機関のリモート ワークやハイブリッド ワークの採用状況には大きなばらつきがあります。しかし、政府機関が新しい建物に投資するにあたり、ハイブリッドまたは対面で業務を行う職員のために、より安全な労働環境を実現する設計でなければ意味がありません。生産性だけでなく、より優れた職員エクスペリエンスの実現も重要になります。

たとえば、イタリアの国立労働災害保険協会 (英語) は、建物へのアクセスの問題を解決するために、新しいバッジ システムを導入しました。これにより、職員は職場を容易に歩き回れるようになり、訪問者のアクセスに関するプロセスも合理化されました。また、新しいバッジ システムにより、物理的なスペースやデータセンターへのアクセスを、許可された担当者のみに簡単に制限できるようになりました。

持続可能性の実現

新しい建物であっても、古い建物の改築であっても、建築プロジェクトは、戦略的な優先事項として持続可能性に焦点を当てる大きな機会となります。暖房、換気、および空調 (HVAC) システムの稼働と照明のコストを削減しながら、持続可能性の目標を達成するうえで、業務全体のエネルギー効率化は優先度が高くなります。建物、フロア、さらには個々の部屋が使用されたときに応答するように、これらのシステムを自動化することで、大幅な効率化を実現できます。

この仕組みを示す好例として、MacDonald-Miller Facility Solutions は、顧客がエネルギー効率の高い建物を建設し、常に最大効率で運用できるよう支援しています。MacDonald-Miller は、Microsoft Cloud との完全な提携により、顧客のコストを削減する 最先端のスマート ビル システム (英語) を設計しました。

しかし、持続可能性は、エネルギーや二酸化炭素の排出量だけに関するものではありません。テクノロジを利用することで、建物の建築時の環境への影響を最小限に抑え、より持続可能な水利用の習慣を実現し、廃棄物を最小限に抑えることもできます。

これらのソリューションを大規模に実装すると、人々は、政府機関などの公的機関が所有するスペースや建物 (公園、競技場、野球場など) によるメリットを享受し、それらのエクスペリエンスを最大限に利用できるようになります。業務を改善することで、政府機関はコストを削減でき、また、持続可能性に焦点を置くことで、これらのスペースを、より健全かつクリーンな未来に貢献するスペースにすることができます。

建造環境の変革

膨大な不動産を所有している政府機関は、効率性、安全性、持続可能性の目標を実現するソリューションに大胆に投資することで、とりわけ大きな影響を及ぼすことができます。政府機関は主要な雇用主でもあり、政府機関の建物を改善することで、職員は大きなメリットを実現できるようになります。建物は公益にかなうように作られていますが、今、情報に基づいた選択を行い、建造環境をさらに良いものに変えることが可能になっています。

政府機関のインフラストラクチャに対するマイクロソフトのグローバル アプローチの最新情報については、重要インフラに関するマイクロソフトのソリューションの Web サイトをご覧ください。