メイン コンテンツへスキップ
業界

日本発の革新的な製品やビジネス モデルを創出するために、すべてのリソースを有効活用して支援します – デジタル アドバイザリ サービス

第 1 回 デジタル アドバイザリ サービス本部 本部長 丸谷 淳

先進的な技術、製品・ソリューション、コンサルティングなど、幅広いカバレッジによってお客様の「デジタル トランスフォーメーション」をご支援するマイクロソフト。その実現に向けた具体的な支援策として提供しているのが「エンタープライズ サービス」です。ここではその最上流に位置し、変革に向けた具体的なビジョンを練り上げていく「デジタル アドバイザリ サービス 」について、デジタル アドバイザリ サービス本部を取りまとめる丸谷 淳がご紹介します。

日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズ & パートナー サービス統括本部
デジタル アドバイザリ サービス本部
本部長
丸谷 淳

プロフィール
大学卒業後、12 年間都市銀行に勤務。その後日本アイ・ビー・エムで 10 年間、ビジネスコンサルトを担当。お客様の課題からアプローチする手法や BI (ビジネス インテリジェンス) などの分析に関する知識を習得した。その後アクセンチュア、SAS などにも在籍。SAS にいた間は、IT をソリューションとして実装することの重要性を学ぶ。

現在は日本マイクロソフトのデジタル アドバイザリ サービス本部を取りまとめる一方、上流と下流からのアプローチ、銀行における業務経験を活かし、企業のデジタル トランスフォーメーションを支援している。

LinkedIn: https://www.linkedin.com/in/marutani/

いかに最新デジタル技術を活用し、新たなビジネス価値を創出するか――「デジタル トランスフォーメーション」が多くの企業にとって重要なカギとなりつつあります。

しかし、実際に企業がどのようなシナリオでデジタル トランスフォーメーションを具現化していくかは、一朝一夕に描けるわけではありません。自社のビジネスを取り巻く環境や自社の強み、さらにはデジタル技術の最新動向や必要な人材の確保なども含め、しっかりとした見極めが不可欠となるからです。実際、PoC (概念検証) からプロジェクトが先に進まないケースは少なくありません。

■どのような要望にも対応できる幅広いカバレッジが強み


デジタル トランスフォーメーションの推進に向け、大きなポイントとなるのが外部パートナーとの連携です。現在は IT 企業やコンサルティング企業が様々なサービスを提供しています。その中からマイクロソフトをパートナーに選ぶメリットとはどこにあるのでしょうか。一言で表現すれば「どのようなご要望にもお応えできるカバレッジの広さ」です。

マイクロソフトは、エンタープライズ レベルで利用できる OS やクラウド サービス、そして業務系アプリケーションやミドルウエア、さらには Surface などのハードウエアまでを取りそろえています。オンプレミスとクラウドが混在したハイブリッド環境の構築・運用もサポートしていますし、クラウド上では Linux や仮想化ソフトなど他社のインフラ環境も提供しています。もちろん、AI や IoT などの最新テクノロジーにも膨大な投資を行っており、量子コンピューティングへの取り組みも発表しています。マイクロソフトの技術を活用した例としては、現実世界に 3D ホログラムを重ねて表示する MR (Mixed Reality) の HoloLens の活用や視覚、音声、言語、知識、検索と 5 つの幅広い領域をカバーしている認識技術 Cognitive Service を利用したサービスのもはじまっています。

それだけではありません。35,000 社を超える多種多様な技術を持ったベンダーとの連携により構成されるパートナー エコシステム、自らが働き方改革をはじめとする局面でデジタル トランスフォーメーションを推進してきた知見・ノウハウなどをベースに、お客様を支援できる体制を整えています。

デジタル トランスフォーメーションへのシナリオは、お客様の環境によって千差万別です。その点マイクロソフトなら、お客様に最適なシナリオを描き、その時々で最適かつ最新のソリューションを提供できるのです。もちろん、技術だけですべてが解決できるわけではありません。そこで具体的な支援策として「エンタープライズ サービス」も用意しています。

エンタープライズ サービスのコンセプトは、「Dream」「Design」「Deliver」。デジタル トランスフォーメーションに向けた推進を概念化、文書化し (Dream) 、それに向けたロードマップの策定、推進メンバーの発掘と組織化 (Design) を支援して、その迅速かつ適切な具現化を図る (Deliver) ことを目指しています。

Dream - お客様のデジタル トランスフォーメーション ジャーニーを概念化し文書化。お客様「Book of Dreams」の作成。Deliver - お客様の Book of Dreams を素早くかつ適切に具現化。お客様「Digital Dream Lab」の創造。Design - あるべき姿とロードマップを作り、推進するメンバーを発掘・組織化。お客様「Digital Dream Team」の構成。

エンタープライズ サービスとは、「デジタル アドバイザリ サービス」「コンサルティング サービス」「プレミア サポート」という 3 つの柱から成るサービスで、既に 124 か国で、750 件以上の提供実績があります。中でもデジタル アドバイザリ サービスは、その最上流に位置するもので、デジタル トランスフォーメーションにかかわる具体的なビジョンをお客様とともに練り上げていく領域を担うものです。

具体的な体制としては、世界中で同サービスを提供する約 6,000 名のデジタル アドバイザー、ソリューション アーキテクトを擁し、国内にも製造や流通、金融など、各業種における専門的な知識を有する 7 名のデジタル アドバイザーに加え、3 名のソリューション アーキテクトを配備。もちろん、グローバルでのサービス提供を通じて蓄積された知見、ノウハウはすべて、国内外の担当者で共有しています。

■デジタル トランスフォーメーションに向けた具体的なステップは?

それではここからは、デジタル アドバイザリ サービスの具体的な流れをご紹介していきましょう。

まずマイクロソフトのリサーチ部門が支援対象となるお客様企業の IR 情報などを参照しながら、そのビジネスに関する詳細な状況や、属する業界をとりまく状況などについて、調査を実施。その結果に基づいて、デジタル アドバイザーのチームが様々な仮説を立て、その仮説を 1 時間程度のブリーフィング通じて、お客様に説明します。

ここでお客様に提示するいくつかの仮説は、基本的には一般的、汎用的なものです。ブリーフィングではそれに対するお客様の意見などを聴取しながら、採用すべき仮説を決定。お客様の要望に沿った手直しを行ったのち、次のフェーズでは、より踏み込んだ形で、各仮説をお客様にとっての “ビジネス シナリオ” へと練り上げていくワークショップを実施していきます。

ワークショップでは、お客様とマイクロソフトが互いにアイデアを出し合い、デザイン思考やインクルーシブ デザインといったアプローチを駆使しながら、「Book of Dreams」と呼ばれるドキュメントへと具体的なシナリオをまとめていきます。例えば小売業なら、消費者のカスタマージャーニーを捉えた「顧客エンゲージメントの強化」、顧客の動向に応じた「従業員の対応力強化」、ビジネスの拡大に追随する「業務の最適化」といったビジネス シナリオが Book of Dreams に盛り込まれ、可視化されます。

図: Book of Dreams

ある程度のシナリオが決定されると、それを受けてマイクロソフトが「Vision Demonstrator」を作成します。

図: Vision Demonstrator

Vision Demonstrator とは、実際の業務プロセスやオペレーションがどう変わるのか、イメージしやすい形にした、電子紙芝居のようなもの。具体的なストーリーに沿って、どういうプロセスにおいて、どんなデバイス、テクノロジーを使うのか、それによって、顧客にどのようなエクスペリエンスが提供されるか、従業員にどのような業務上のメリットがもたらされるかといったことを画面上でわかりやすく伝えます。これにより、シナリオの修正点や、あるべき業務への新たな着眼点が生まれることもあります。

Vision Demonstrator による検証を通じて、最終的にシナリオが固まると、今度はその実現に向けて、お客様企業がどの程度、デジタルの観点で成熟した状態にあるかを、マイクロソフト独自の「Digital Maturity Model (デジタル成熟度モデル)」をベースに評価します。評価方法としては、業種ごとにあらかじめ用意された計 70 項目の質問に対し、経営企画や IT 部門、人事といった各部署の方々がそれぞれ答えていく形となります。こうした成熟度評価を行うことで、固まったシナリオの具現化に対し、お客様はどのようなギャップを抱えているのかを明確化でき、問題を解消してシナリオを実現していくためのアプローチやロードマップを適正に策定していくことができるわけです。

このように、Book of Dreams、Vision Demonstrator、Digital Maturity Model という 3 つの強力なツールを活用することにより進めていくという点が、デジタル アドバイザリ サービスにおける大きな特長となっています。ただし、ここで紹介したフローはあくまでも典型的なものであり、お客様のニーズや状況に応じて柔軟に変更可能です。仮にお客様のほうで、デジタル トランスフォーメーションに関してなすべきシナリオがしっかりと固まっているのであれば、ワークショップ以前のプロセスを適宜省略するといったこともできます。

■既に数多くの企業がデジタル アドバイザリ サービスを活用

既にデジタル アドバイザリ サービスをベースに、国内においても数多くの先進企業が、最新デジタル技術を活用したデジタル トランスフォーメーションの実践に向けた取り組みをスタートさせています。

今後もマイクロソフトでは、お客様のデジタル トランスフォーメーションをさらに強力に支えるべく、支援策の継続的な拡充に努めていきます。

関連リンク

»「デジタル アドバイザーと、業界の競争優位を得るためのデジタル変革の実現へ – デジタル アドバイザリ サービス」トップ ページに戻る
» 第 2 回 デジタル アドバイザリ サービス本部 チーフデジタルアドバイザー 島田 真由巳

※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。