オンライン イベント「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」開催によせて
日本マイクロソフトは、2022 年 4 月 26 日 (火) に開催されるオンライン イベント「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」に協賛します。ニューノーマル時代に対応し、ヘルスケア業界の働き方改革を支援する最新の Mixed Reality ソリューションや医療・医薬品企業の現場における Mixed Reality の活用事例などについて知ることができるまたとない機会ですので、たくさんの視聴をお待ちしております。本稿では、当イベントでも登壇する日本マイクロソフトの清水と村中が本イベントの概要とその背景を解説します。
医療・ヘルスケア業界 DX Day
~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~
開催日時: 2022 年 4 月 26 日 14:00~15:30
参加方法: 事前登録制 (無料) ご登録はこちら
主催: CHANGE-MAKERS (インパクトM株式会社)
協賛: 日本マイクロソフト株式会社
協力: 株式会社 日立ソリューションズ / 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト
■日本のヘルスケア業界が直面する課題とは
高齢化の進む日本において、ヘルスケア業界はいくつかの課題に直面しています。まずは社会保障給付金の高騰。高齢者の増加に伴い、複数疾患を患う方も増加します。その結果、2025 年には、医療や医薬品、介護等に使われる社会保障給付金は 40 兆円に達すると推定されています。
また、医療資源の少なさも特筆すべき課題です。日本では人口 1,000 人あたりの医療従事者の数は 2.4 人。これは OECD (経済協力開発機構) 平均にも遠く及ばない数値であり、日本の医療サービスのシステムが優れている証左である一方、地方部や過疎部に関して言えば、少ない医療者で多くの患者に対応しなければいけない状況を示しています。
そして製薬業界に関しても、新薬の開発にかかる膨大な期間やコスト、加速するグローバル化に対応するための競争力や技術力の確保といった課題に加えて、コロナ禍において医療機関への訪問が制限され、本来緊密であるべき連携やコミュニケーションが図りにくくなってしまった MR (Medical Representative) の働き方問題、R&D (研究開発) 事業において、研究者が海外や遠隔地にある開発拠点に訪問できない場合の事業継続問題といった、ニューノーマル時代ならではの課題が浮き彫りとなっています。
このような状況のなかで日本マイクロソフトでは、限られたヘルスケアに関する資産における生産性を向上し、先端技術の積極的な活用とヘルスケア データの整備・流通を進めることを目的として、IT の視点から「医療現場の改革」「医療の質の均てん化」「ヘルスケア連携」をテーマとした取り組みを進めています。
日本マイクロソフトが目指しているのは、ヘルスケア分野における社会と人をつなぐ新しいエコシステムの構築です。例えば、一般社団法人医療トレーサビリティ推進協議会の一員として、医薬品のトレーサビリティを一元的に管理するエコシステム プラットフォーム「Seeプラットフォーム」の構築を進めています。このプロジェクトにおいては、Azure上に日本通運社、富士フイルム富山化学社と共同で IoT を活用した温度管理やマッピング機能や医薬品仕分け機能を備えたトレーサビリティ基盤を構築し、作業時間の短縮や仕分け間違いの防止といった成果を得ています。
また、医療 AI プラットフォーム技術研究組合に参画して、医療データの分析や活用に AI を利用できるポータル システムの構築を進めています。このシステムの社会実装を進めることにより、医療の質の確保や医療関係者への負担軽減、ヘルスケア分野における Society5.0 の実現を目指します。
これらの取り組みに加えて、日本マイクロソフトでは Mixed Reality (MR) を活用したコラボレーティブ コンピューティングの普及を推進しています。オンライン イベント「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」では、コラボレーティブ コンピューティングを取り入れて変革に成功した事例についてもご紹介していきます。
医療・ヘルスケア業界 DX Day
~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~
開催日時: 2022 年 4 月 26 日 14:00~15:30
参加方法: 事前登録制 (無料) ご登録はこちら
主催: CHANGE-MAKERS (インパクトM株式会社)
協賛: 日本マイクロソフト株式会社
協力: 株式会社 日立ソリューションズ / 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト
■日本マイクロソフトが推進する MR ソリューション
XR と総称される現実世界とデジタル世界を融合するテクノロジ群のなかで、MR の定義をひとことで表すならば「現実世界とデジタル世界を融合し、ユーザーは物理世界に存在しながら、現実・デジタル両方のオブジェクトとやり取りができる世界」となります。
現実世界にいながらも、「HoloLens 2」のようなホログラフィック デバイスを装着することで、目の前の現実世界の風景を見ながらデジタルの情報も知覚し、アプリを通してその濃淡を調整しながら現実とデジタルの世界を行き来できる。そんな世界を下支えするテクノロジが MR なのです。
日本マイクロソフトでは、身の回りの空間すべてをワークスペースにできる MR とその発展系として位置付けられる「コラボレーティブ コンピューティング」の概念は、これまでの PC やスマートフォンといったプラットフォームと一線を画すものであり、社会のありようを変革する大きな可能性を秘めた次世代のコンピューティング プラットフォームと位置付けています。
そして、HoloLens 2 を始めとするハードウェア、「Dynamics 365 Remote Assist 」や「Dynamics 365 Guides」といったアプリケーション、マイクロソフトのクラウド Microsoft Azure を用いてパートナー企業とともにつくり上げるサービスをベースとした三位一体のソリューションを展開しています。
■ヘルスケア分野における MR の活用実例
日本マイクロソフトは、ヘルスケアの現場における MR 活用シーンを、主に「遠隔支援」「トレーニング & 学習」「視覚化 & 共同作業」「空間シミュレーション」の 4 つに分類 して取り組みを進めています。なかでも私たちがヘルスケア業界からの期待を感じているのが遠隔支援です。
遠隔支援や質の均てん化の分野で注目されているのがホログラフィック デバイス「Microsoft HoloLens 2」と三次元カメラ「Azure Kinect DK」の連携ソリューションです。たとえば画面越しに遠隔で屈伸運動のリハビリテーションを行う場合、正面から見ただけでは正しい姿勢で屈伸できているか判断するのが難しい場合があります。そこで Azure Kinect DK を使えば、リアルタイムに 3D センシングを行って人の骨格や声を捉え、関節の奥行きまで測定できるので、姿勢が正しいかどうか瞬時に把握することができるのです。
医療や介護の現場では暗黙知ではなく定量的な評価が必要な場合が多く、三次元のものを三次元で評価できる Azure Kinect DK が活用されるシーンも増えてくることが予想されます。
また、英国で国民保険サービスを提供する大型病院「NHSトラスト」社では、新型コロナウィルスの患者を診察する際に、患者と接する医師が HoloLens 2 を装着し、別室にいる医師と Dynamics 365 Remote Assist でデータを共有して Microsoft Teams でコミュニケーションを取りながら診察を進めています。この診察方法により、感染リスクの低減のみならず、防護具を着脱する手間や防護具自体のコスト削減といった効果が得られています。このソリューションは専門医のいない遠隔地での診療にも応用できるため、今後ニーズが増えてくると考えています。
製薬の分野の活用イメージを挙げると、創薬研究と臨床研究の拠点が国内外に分散している武田薬品工業社では、これまでは R & D の研究拠点に専門家が赴いて指導やトレーニングを実施していました。ですが、ニューノーマル時代においては現地に行けない状況も想定されるため、業務の継続が課題となっています。
そこで HoloLens 2 と Mixed Reality ソリューションを用いて、ラボの実験操作サポートやリアルタイムのコミュニケーション、リモート メンテナンスを行える取り組みを進めています。HoloLens 2 のハンズフリーという特性やボイス コマンド機能を生かせば、生化学系の実験でも手袋を着脱せずに遠隔でサポートを受けながら調べものや記録ができるメリットも得られます。
参考:「武田薬品工業における HoloLens 2 と Dynamics 365 Mixed Reality アプリケーションを活用した CMC 研究の DX」
HoloLens 2 は空間把握にも優れたデバイスです。業界は異なりますが、自動車の修理を行うにあたり、自動車の形状を HoloLens 2 で認識、Microsoft Azure 上で識別することで車種を特定し、メンテナンスや修理を自動的にナビゲートできるシステムを導入した企業もあります。これは医療機器や医薬品の製造機器のメンテナンスにも応用できるはずです。
今後、日本マイクロソフトが目指す「コラボレーティブ コンピューティング」の実現は、Microsoft Mesh が主な担い手となるはずです。Microsoft Mesh を使えば、アバターやそれに類するものを通じて、あたかも目の前に相手がいるような臨場感を伴うコミュニケーションが図れます。Microsoft Mesh のユーザーは世界のどこにいても、仮想空間上で相手の存在を感じ、経験を共にし、つながることができるのです。Microsoft Mesh はより多くの人たちとコラボレーションできるプラットフォームを目指しており、今後は HoloLens 2 以外のホログラフィック デバイスやスマート デバイスにも対応する予定です。
■ニューノーマル時代に対応する新たな医療・ヘルスケア業界の事例を紹介
「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」では、3 つのセッションが用意されています。1 つめは、本稿でご紹介した日本マイクロソフトのソリューションや MR ソリューションを通して、私たちが実現したい未来像についてお話しさせていただきます。
2 つめのセッションでは、武田薬品工業社によるデジタルプラントの将来像とそれを実現するための取り組みについての講演をご覧いただけます。
そして 3 つめは、日立ソリューションズ社による医療機器トレーニングへの Dynamics 365 Guides の適用事例と、HoloLens 2 のオフライン使用によるアイトラッキング技術事例についての講演をご覧いただけます。
いずれのセッションも、IT の視点からのヘルスケア領域でのビジネス変革と、それを下支えする MR を軸足にしたテクノロジについて深く知ることができる、日本マイクロソフトの協賛イベントならではの内容となっています。
近年社会的な盛り上がりを見せている仮想空間におけるヘルスケア領域の最新コラボレーションについても触れられるまたとない機会ですので、働き方改革や事業継続にお悩みの医療関係者の皆様には、ぜひご視聴いただきたいと考えております。
医療・ヘルスケア業界 DX Day
~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~
開催日時: 2022 年 4 月 26 日 14:00~15:30
参加方法: 事前登録制 (無料) ご登録はこちら
主催: CHANGE-MAKERS (インパクトM株式会社)
協賛: 日本マイクロソフト株式会社
協力: 株式会社 日立ソリューションズ / 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト