ブロックチェーンによる金融サービス業界の変革
今日のニュー エコノミーのカギを握るのは、単にモノやサービスではなく、情報を共有することです。さらに目指すところは取引の処理を、最終的にはインターネットのスピードにまで速めることです。その核となるテクノロジーが「ブロックチェーン」です。
電子通貨のブロックチェーン (公共・民間の分散型ネットワークで誰にでも共有される、セキュアな情報の台帳) を採用した決済システムが、電子通貨の直接決済と同様に、既存・新興企業のビジネス成長を推進することは誰もが知るところです。ですが、それは始まりにすぎにません。この分散型台帳は、単なる支払い機能に留まらず、業種を超えたスマート・デジタル・コントラクト用プラットフォームとして、企業や人が互いに取引を行う方法を根本的に変革する可能性を秘めています。
では、どうすれば気軽にブロックチェーンを利用できるのでしょうか。マイクロソフトの新しい Azure Blockchain as a Service (BaaS) プログラムなら、規模の大小にかかわらず、すべての企業が即座にコラボレーティブ経済の恩恵を受けることができます。オープンでハイパースケールなプラットフォームである Microsoft Azure は、セキュリティ、パフォーマンス、業務プロセスといった特定のビジネス要件に対応し、増加の一途をたどる分散型台帳の各種テクノロジーをサポートします。端的に言うと、Azure BaaS は、サプライチェーンから商取引にいたる、資本市場のすべてを合理化するための新たなビジネス プロセスや契約を実験できる、迅速かつ低コスト・低リスクの企業連携プラットフォームを提供します。
ブロックチェーン エコシステムの金融機関にとっての革新性は、すでに証明されつつあります。2015 年、金融イノベーション企業の R3 は、分散型台帳テクノロジーをグローバル展開すべく、世界有数のメガバンクとコンソーシアムを組成しました。現在 R3 は、ブロックチェーンを新たな革新的サービスの基盤と考える 42 の金融機関と、パートナーシップを結んでいます。
R3 は、スマート コントラクトのプラットフォームを提供する Ethereum、Eris、Tendermint などの複数のブロックチェーン パートナーとともに、Azure BaaS を活用して、コンソーシアムの主要銀行同士をつなぐ P2P 分散型台帳を構築しました。この銀行には、バークレイズ、クレディスイス、HSBC、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド、シティバンク、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴといった銀行が含まれます。分散型台帳の初回テストでは、これらの銀行による同時金融取引のシミュレーションが行われました。
R3 は、3 回目のテストで、5 つの異なるブロックチェーン プラットフォームで、IBM Bluemix、Amazon Web Services、Microsoft Azure を含む複数のクラウド ベンダーを検証しました。検証の結果、モノのインターネット (IoT)、高度な分析・機械学習アルゴリズム、セキュリティ機能、開発ツールなどを含む、柔軟かつオープンな包括的企業向けサービスを提供するとして、Microsoft Azure が R3 やコンソーシアムにとって望ましいクラウド プロバイダーとして浮上しました。以上は、ブロックチェーンの潜在的メリットのほんの一部であり、今後もさまざまなメリットが明らかになるでしょう。
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