Azure と PostgreSQL の最高の イノベーションを開発者に提供
公開日時: 2021 年 5 月 24 日 午後 8 時 50 分、閲覧数: 1,934
PostgreSQL は高い人気を保っており、さまざまなユース ケース、特に、機能が豊富な企業データベース、高いパフォーマンス、スケールを必要とする最新のアプリケーションで利用されています。マイクロソフトは、コミュニティと Azure のイノベーションを集約し、開発者の皆様がデータのセキュリティを確保しながらイノベーションをより迅速に実現できるようにすることで、Microsoft Azure を PostgreSQL に最適なクラウドにしようと取り組んでいます。Arc 対応 Postgres Hyperscale により、場所を問わずにこれらの同様のイノベーションを実現できるようにもしています。
今週、Microsoft Build において、開発者がより簡単かつコスト効果の高い方法で PostgreSQL の利用を開始し、Azure で最新のコミュニティのイノベーションに対するサポートを受けることができる、新しい機能やオファーが発表されます。
より簡単かつコスト効果の高い方法で Azure Database for PostgreSQL の利用を開始
Ignite 2020 で、Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバー (プレビュー) デプロイが発表されました。私は、そのためのより優れた手段が存在すること、そして、データベースをより細かく制御したり、コストを削減したりするためだけに、開発者がマネージド ソリューションの利用と IaaS でのセルフ ホスティングの難しいトレードオフを考慮する必要は一切ないという強い確信をマイクロソフトが持っていることを、皆さんに訴えかけました。そして今では、お客様もそのように確信しておられることがわかりました。開発のしやすさと高いパフォーマンス、そしてバースト可能な料金設定と停止/開始機能によって開発コストを最適化できることに感動を覚えた数千人もの開発者から非常に大きな反響が寄せられました。また、ゾーン冗長による高可用性がもたらす柔軟性とカスタム メンテナンス ウィンドウにより、ミッション クリティカルなアプリケーションを安心して実行できるようになりました。
Ebiquity Plc のグループ最高製品責任者である Ruben Schreurs 氏は、フレキシブル サーバーが同社のメディア分析アプリケーションのパフォーマンス要件とスケール要件をどう満たしているかを語っています。
「Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバーにより、クライアント クラスター全体のパフォーマンスが驚くほど向上しました。設定は簡単でした。Linux VM でのネイティブ環境、高可用性のサポート、ストレージのスケーラビリティの大幅な向上により、弊社は Azure のパワー ユーザーとして、成長の次の段階へと移行する準備ができました」
このたび、新しいフレキシブル サーバー (プレビュー) デプロイ オプションの 12 か月の無料オファーが導入されたことで、開発者はより簡単なコスト効果の高い方法で利用を開始できるようになりました。このオファーを利用すると、フレキシブル サーバーを使用して、無料でアプリケーションの開発とテストを行い、運用環境で小規模なワークロードを実行できます。このオファーは Azure の無料アカウントで 2021 年 6 月 15 日から利用可能であり、最初の 12 か月間、毎月 Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバーを 750 時間まで利用でき、32 GB のストレージが提供されます。
この数か月、マイクロソフトはフレキシブル サーバーに注力し続け、PostgreSQL 13 や、人気の高い PostgreSQL の拡張機能 (pglogical、pg_partman、pg_cron など)、その他 50 を超える拡張機能をサポートしてきました。これにより、Azure でフル マネージドの柔軟な PostgreSQL サービスのメリットを活用しながら、新しいオープン ソースのイノベーションを利用してアプリケーションを構築できるようになりました。
また、現在の VNET 内、またはリージョン内でピアリングされた任意の VNET 内でカスタムのドメイン名と解決方法を作成できるプライベート DNS ゾーンによる拡張セキュリティ機能や、接続数を最適化するための組み込みの接続プーラーを提供する組み込みの PgBouncer を利用することもできます。
新しいアプリケーションを構築する場合でも、既存のアプリケーションを移行する場合でも、従来よりも簡単に利用を開始して、最低限の TCO でデータの優れた可用性、パフォーマンス、セキュリティを確保できます。次のクイック デモをご覧になると、Azure Database for PostgreSQL のインスタンスにアプリケーションを接続するのがいかに簡単であるかをおわかりいただけます。
Postgres – フレキシブル サーバーのデモ
PostgreSQL の最高のイノベーションを Azure Database for PostgreSQL – Hyperscale (Citus) に導入
最新のクラウド ネイティブ アプリケーションを開発するときには、アプリケーションを成長に応じてスケールできるようにすることが非常に重要です。Azure Database for PostgreSQL – Hyperscale (Citus) では、高パフォーマンスの水平方向のスケーリングを活用して、ほぼ無限のスケールを実現できます。Hyperscale (Citus) は、より優れたスケールとパフォーマンスを実現するシャーディングを利用し、複数のマシンにわたってクエリをスケールすることでこれを可能にしています。
HSL (ヘルシンキ地域交通局) は、Azure Database for PostgreSQL – Hyperscale (Citus) により交通の監視を向上させましたが、その方法をこちらで説明しています。製品の所有者であり、チーム リードでもある Sami Räsänen 氏は次のように語っています。
「Hyperscale への移行により、パフォーマンスが従来よりもはるかに向上し、運用コストも 50% 余り削減できました」
このたび、新しい Basic レベルを利用して 1 つの Hyperscale (Citus) ノードで Postgres のシャーディングを行えるよう、オファリングが拡張されました。これにより、コスト効果の高い方法で小規模に開始し、アプリケーションの成長に応じて、いつでも簡単にデータベースを水平方向にスケール アウトできるようになります。詳しくは、ブログ記事「Hyperscale (Citus) での Basic レベルの Postgres のシャーディング、その方法、理由、タイミング」を参照してください。
Azure Database for PostgreSQL Hyperscale (Citus) では、拡張機能である最新リリースの Citus 10 がサポートされます (プレビュー)。マイクロソフトは、Basic レベルを利用して 1 つのノードで Hyperscale (Citus) のシャーディングを行える機能のほか、PostgreSQL と Hyperscale (Citus) のテーブルを圧縮してストレージ コストを削減し、分析クエリを高速化することのできる列指向ストレージも提供しています。これらの機能について詳しくは、ブログ記事「Citus 10 対応 Hyperscale (Citus) の新しい Postgres の優れた能力」を参照してください。
また、PostgreSQL 13 もサポートされるようになり、B ツリー インデックスの項目の重複除去、集約やパーティション分割されたテーブルを使用したクエリのパフォーマンス向上、拡張統計を使用したクエリ計画の向上、インデックスの並列バキューム処理、インクリメンタル ソートといった主要な拡張機能が提供されています。
Citus 10 と Hyperscale (Citus) は、以下の 2 つの簡単な方法で利用を開始できます。
- Hyperscale (Citus) マネージド サービスで Citus 10 を試すのに最適な方法として Basic レベルを利用する。
- 1 つの Docker コンテナーとして、コンピューター上でCitus オープン ソースを実行する。1 つの Docker 実行コマンドを実行するだけで、Citus を簡単に試せるだけでなく、ローカルの開発マシンとクラウドで Citus を利用したときに同等の機能を実現できます。
コミュニティと共に構築
マイクロソフトのアプローチでは、Azure で最高の PostgreSQL を構築するだけでなく、オープン ソース コミュニティとの完全な統合を実現し、そのコミュニティに貢献しています。マイクロソフトのチームは、グローバルな PostgreSQL のオープン ソース プロジェクトに対して、イノベーション、コード、リーダーシップを提供しています。また、マイクロソフトの PostgreSQL 専門家は、クラッシュ回復の大幅な迅速化、接続スケーラビリティの向上などの主要な機能を、近日リリースされる PostgreSQL に導入しています。
さらに、マイクロソフトは、GitHub のオープン ソース コミュニティに他のどのクラウド ベンダーよりも大きく貢献し続けています。マイクロソフトの注目に値する貢献の一例として、Visual Studio Code 向けの PostgreSQL の拡張機能や、Azure Data Studio の PostgreSQL の拡張機能が挙げられます。また、お客様にこれまで 170 万回以上もダウンロードしていただいた Citus のオープン ソースの拡張機能も利用できます。お客様はこの拡張機能を利用して、PostgreSQL を分散データベースにスケール アウトしています。
高度なセキュリティ機能を PostgreSQL に導入
マイクロソフトは、最新のセキュリティおよびコンプライアンス機能を PostgreSQL に導入する取り組みに注力し続けています。このたび、PostgreSQL の包括的なセキュリティを実現するオープン ソース リレーショナル データベース向けの Azure Defender の一般提供が開始されました。Azure Defender は、PostgreSQL サーバーのセキュリティ脅威を継続的に監視し、PostgreSQL リソースに対する潜在的な脅威を示す異常なデータベース アクティビティを検出します。
全体的なセキュリティ戦略の一環として、Azure Defender を利用して、PostgreSQL の運用インスタンスを保護することをお勧めします。
将来の展望
マイクロソフトは、Azure Database for PostgreSQL により、柔軟性を向上させ、アプリケーションをより簡単に、より低コストで開発できるよう取り組んでいます。今後数か月以内に、サポートの対象を Terraform のデプロイと自動化にまで、そしてさらに多くの Azure リージョンにまで拡大する予定であり、Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバーの一般提供開始についても発表したいと考えています。
Azure Database for PostgreSQL マネージド サービスの詳細については、お手数ですがこちらでご確認ください。もっと詳しく知りたいお客様は、フレキシブル サーバーのドキュメント、Hyperscale (Citus) のドキュメントからお読みください。最後になりますが、
私たちの12ヶ月の Azure の無料アカウントを忘れずにご活用ください。お客様がフレキシブル サーバーおよび Hyperscale (Citus) デプロイ オプションをどのように利用して、ビジネスやアプリケーションに対するイノベーションを促進させる計画を立てているのか、ぜひお話をお聞かせください。お客様のフィードバックもお待ちしています。いつでも Ask Azure DB for PostgreSQL 宛に電子メールでご連絡ください。
– Sunil Kamath