SQL Server を Azure Virtual Machines に独自にインストールする場合は、リソース プロバイダーにご登録ください
※このポストは、2019 年 7 月 8 日に投稿されたBenefit from Resource Provider registration when self-installing SQL Server on Azure Virtual Machine に加筆および更新を行ったものです。
Microsoft
多くの企業が、SQL Server データベースをオンプレミスから Azure に移行することで、クラウドの弾力性とスケーラビリティを向上させていることに加え、TCO を最小限に抑えています。[1] お客様は、Azure SQL Database Managed Instance に移行して、組み込みのインテリジェンスを備えたフル マネージド PaaS データベースを使用することも、Azure Virtual Machines 上の SQL Server に移行して、オペレーティング システムとデータベースの両方を完全に制御することもできます。
Azure Virtual Machines 上の SQL Server を実行するときに、Windows Server および SQL Server 向け Azure ハイブリッド特典と 3 年間無料の拡張セキュリティ更新プログラムを利用することで、コストを大幅に削減できます。
Azure Marketplace の事前構成された PAYG (従量課金制) または BYOL (ライセンス持ち込み) のイメージを使用せずに、Azure Virtual Machines 上の SQL Server を独自にインストールする場合には、以下の 2 つの理由から、その SQL VM を今すぐリソース プロバイダーに登録することをお勧めします。
- コンプライアンス – Azure ハイブリッド特典の利用時にマイクロソフトに通知するというマイクロソフトの製品条項の規定を満たすことができます。
- 機能面でのメリット – SQL 仮想マシンをリソース プロバイダーに登録することで、ライセンスを柔軟に適用できるだけでなく、自動修正、自動バックアップ、監視、管理の各機能を利用できるようになります。これらの機能は、これまで Azure Marketplace の SQL VM イメージでしか利用できませんでした。
独自にインストールされた Azure Virtual Machines 上の SQL Server を登録するためのコンプライアンス要件
マイクロソフトの SQL Server 向け Azure ハイブリッド特典を利用することで、ソフトウェア アシュアランス付きの SQL Server ライセンス (“条件を満たしたライセンス”) を使用して Azure Virtual Machines 上に SQL Server を再ホストできます。SQL Server 向け Azure ハイブリッド特典を利用した場合、VM での SQL Server ライセンスの使用に対する課金はありませんが、基本的なクラウド コンピューティング (基本料金)、ストレージ、バックアップ、サービスの利用に関連する I/O (該当する場合) に対する料金は引き続きお支払いいただく必要があります。
マイクロソフトの製品条項の規定に従い、”お客様は、Azure にワークロードを構成する際には、SQL Server 向け Azure ハイブリッド特典に基づいて、Azure SQL Database (マネージ インスタンス、弾力性プール、および単一データベース)、Azure Data Factory SQL Server Integration Services、または SQL Server Virtual Machines を使用しているということを示す必要があります。”
製品条項の規定に従い、Azure Virtual Machines 上の SQL Server 向け Azure ハイブリッド特典の利用について通知するには、以下の 3 つの方法があります。
- Azure Marketplace の SQL Server の BYOL イメージを使用して VM をプロビジョニングする[2]
- Azure Marketplace の SQL Server の PAYG イメージを使用して VM をプロビジョニングし、Azure ハイブリッド特典を有効にする
- SQL Server on Azure Virtual Machines を独自にインストールし、SQL VM をリソース プロバイダー (“RP”) に登録する
Azure Virtual Machines 上に SQL Server を独自にインストールする場合も、SQL Server のカスタム VHD を使用して Azure VM をプロビジョニングする場合も、お客様は SQL VM RP への登録によって、SQL Server 向け Azure ハイブリッド特典の利用についてマイクロソフトに通知するという条件を満たすことができます。Azure Marketplace の SQL Server のイメージを使用してプロビジョニングされた VM は自動登録されますが、イメージの種類が SQL 以外である場合、および SQL Server を手動でインストールした場合に限り、手動で VM を SQL VM RP に登録する必要があります。
独自にインストールされた Azure Virtual Machines 上の SQL Server を登録するメリット
サービスとしてのインフラストラクチャを利用するだけでなく、SQL VM を SQL VM RP に登録することで、管理された Azure SQL プラットフォームに統合される Azure SQL VM リソースを作成できるとともに、一連の管理機能をすべて使用し、Azure Portal の Azure SQL ブレード (今後提供予定) で監視と管理を一元化して、ライセンスとエディションの柔軟な更新によりコストを削減できるようになります。
包括的な一連の機能
Azure SQL プラットフォームは、Azure Virtual Machines 上の SQL Server の管理を向上し、膨大な SQL Server の管理コストを削減します。フル マネージド サービスとは対照的に、SQL VM サービスのワークロードで必要となる管理のレベルを制御できます。たとえば、自動バックアップ サービスを構成して Always On AG を自動化し、自動修正は構成しないようにすることができます。SQL VM を SQL VM RP に登録することで、Azure Virtual Machines 上の SQL Server の一連の管理機能をすべて利用できるようになります。SQL VM サービスで ROI を最大化するための新機能が頻繁に提供されているので、SQL VM の更新情報を常に確認するようにしてください。
柔軟なライセンスの適用と課金
Azure VM で既存の SQL Server ライセンスを利用するには、SA (ソフトウェア アシュアランス) が必要になります。SQL VM RP への登録後、独自にインストールされた SQL VM を PAYG ライセンスに切り替えられるようになりました。その際に、SA を解約することもできます。Azure Portal (図 1) で、使用を継続しながら簡単に、Azure SQL VM リソースのライセンスの種類を Azure ハイブリッド特典から PAYG に変更したり、PAYG から Azure ハイブリッド特典に変更したりできます。また、ポータルで新しい SQL Server のエディションのプロパティを更新することで、VM の SQL Server のエディションのインプレース更新を行い、状況に応じて PAYG の課金を設定することができます。
図 1: Azure Portal における SQL 仮想マシンの新しい SQL Server ライセンスの種類とエディションのプロパティ
統合されたダッシュボード ビュー
統合された新しい “Azure SQL” のサービス登録のプレビューが Azure Portal で提供される予定です。Azure SQL ポータルでサービスを登録すると、すべての SQL リソースの検索、管理、作成を 1 つの場所で素早く簡単に行えるようになります。また、1 つの画面からさまざまな SQL リソースを管理できるようになったため、もう個々のリソースを異なった方法で個別に管理しなくても済みます。以下の図 2 で示すように、Azure SQL ポータルでの登録により、SQL VM、SQL Database、Managed Instance、Elastic Pool など、Azure のすべての SQL リソースの監視と管理を一元化して統合できます。
図 2: Azure SQL のブラウズの統合
監視機能の強化
SQL VM RP に登録された SQL VM リソースを管理するための新たな機能をポータルで使用できるようになりました。登録後は、Azure “仮想マシン” サービスで VM を検索しなくても、ポータルの [すべてのサービス] で [SQL 仮想マシン] を選択して SQL VM リソースをフィルターしてブラウズできるようになります。図 3 に示すように、Azure Portal で SQL 仮想マシンをフィルターできるだけでなく、SQL Server のライセンス、エディション、バージョンのプロパティを使用して監視を強化できます。
図 3: [すべてのサービス] の [SQL 仮想マシン]
今すぐ SQL VM RP にご登録ください
軽量の SQL IaaS 拡張機能により、SQL VM を SQL VM RP に今すぐ登録できるようになりました。ライセンスを柔軟に適用して、SQL Server のエディションのインプレース更新のみを実行する必要がある場合は、軽量モードの拡張機能をインストールできます。軽量モードの SQL IaaS 拡張機能をインストールすれば、SQL Server サービスは再起動されず、VM で実行されているエージェントが終了することもありません。軽量モードでは、コンソール アプリが VM にプッシュされます。このアプリは、SQL インスタンスのバージョンとエディションを検証し、RP と通信した後に消滅します。VM には痕跡が一切残りません。軽量モードの SQL IaaS 拡張機能の場合、SQL VM RP に登録できるのは、フェールオーバー クラスター インスタンスとマルチインスタンスの展開だけです。
完全モードの SQL IaaS 拡張機能がインストールされた Azure SQL VM リソースではすべての管理機能を使用できますが、軽量モードの SQL IaaS 拡張機能がインストールされた SQL VM リソースでは、図 4 で示すように、SQL Server のライセンスとエディションを更新することしかできません。
図 4: 軽量の SQL IaaS 拡張機能での SQL 仮想マシンの管理
お客様はいつでも、Azure Portal で推奨設定に従うか、SQL Server を再起動して SQL IaaS 拡張機能を手動で完全モードに更新することによって、すべての管理機能のほか、自動バックアップ、自動修正、パフォーマンスが最適化されたストレージ構成、その他の各種機能を使用できるようになります。
SQL Server を実行する Azure 仮想マシンを SQL VM RP に今すぐ登録して、Azure のデータ ワークロードに対する ROI を最大限に高めましょう。ご質問またはご提案がある場合は、UserVoice でマイクロソフトにご連絡ください。皆様のご意見をお待ちしています。
[1] Amazon Web Services EC2 上の SQL Server を使用した場合と比較すると、総保有コスト (TCO) は最大で 5 分の 1 になります。コストの差異は、Windows Server 向け Azure ハイブリッド特典 (Azure のみ) と追加料金なしで 3 年間無料で提供される Azure 仮想マシンの拡張セキュリティ更新プログラムも含めて比較した結果によるものです。*料金は 2018 年 10 月 24 日時点のものであり、変更されることがあります。対象リージョンの実際の料金とプログラム割引が適用される場合があります。実際のコスト節減効果は、リージョン、インスタンスのサイズ、およびパフォーマンス層に応じて変動する場合があります。節減額には、ソフトウェア アシュアランス費用 (ボリューム ライセンス契約により異なる) は含まれません。詳細については、営業担当者にお問い合わせください。こちらのサイトでも詳細情報をご確認いただけます。
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