Trace Id is missing

防音が必要? リモート ワーク移行で見えてくる音の問題

2022 年 1 月 11 日

昨年から今年にかけて、急激に感染が拡大した新型コロナウイルスの影響により、多くの企業がリモート ワークを導入。中には、十分な環境整備を行わないまま、“見切り発車”的にはじめた会社もありますが、様々な問題が浮上しているようです。その一つに“音”の問題があります。一体、どのような音の問題があり、どのような解決策があるのか。本記事で考察をしたいと思います。

1. リモート ワークで発生する音の問題とは?

リモート ワークに関する音の問題が顕著になっているのが、在宅ワークのシーンです。そもそも日本の住宅のほとんどが欧米と比べて狭小であるため、決してリモート ワーク向けの構造にはなっていません。どのような問題が生じているのでしょうか。

1-1. 集中力への影響

音は、在宅で仕事をするリモート ワーカーにとっては、集中力を途切らせてしまう厄介なものの一つです。最近は、社員が数人単位のベンチャーのオフィスなどで音楽が流れているケースも見受けられますが、自分が嫌いな音楽が流れていると仕事に集中できないという声もあがっています。自分が相容れない音は集中力を欠くどころか、時には不快にさえなります。オフィスにおいては、時には人のしゃべり声が邪魔になることもあります。そのため集中ブースや個室が用意されている会社もあります。それだけ、音の問題と集中力、ひいては業務効率の間には密接な関係があるということになります。

1-2. Web 会議中に気になる生活音

では、リモート ワークを在宅で行っている場合、どのような音が仕事を妨げるでしょうか。当初は Web 会議中の雑音、すなわちオフィスではありえないような音の問題が取りざたされていました。真っ先に思い当たるのが、同居する家族の声や生活音です。頭では“仕方がない”と理解しているものの、会議中に子どもの声が入ってくると、会議に参加している周囲の人というよりも、そのご家庭にいるご本人が気になってしまいます。マイクの精度をあげれば、人間の声以外のわずかな音をひろってしまうこともあります。誰かが自宅に一緒にいれば、生活音が発生することは仕方がないことですが、参加者にとっても本人にとっても、なかなか気まずい問題であることは間違いありません。

1-3. 近所で発生する音

近所の音が気になる時があります。会議中に突如入り込んでくる音として挙げられるのが「選挙カー」の音です。これをなかなか予知することは難しく、時には自宅の近くで演説が始まって困ってしまうというケースもあります。工事の音も困ります。前もって、工事予定について通知があるケースもありますが、想定以上に音と振動のインパクトがあってびっくりするなんてことも。隣の土地に家が建つとき、大工さんのトンカチの音が気になって仕事に集中できないという話もありました。

住宅街での道路工事

近所の子どもたちの楽しそうな声やピアノの練習音などなど、近所から発生し防ぎようのない音の問題も多様です。突然になる家の電話やインターホンの音に、肝心な一言がかき消されることもあります。日常生活を送っているうえでは気にならない音も、リモート ワーク時には気になってしまうケースもあります。

1-4. ワーカー自身が発生させる音

逆の問題、すなわちリモート ワーカー自身が発生させる音もあります。在宅 Web 会議中に話している内容が他の家人の迷惑になっていないか、少しエキサイトして大きな声で会議に参加していたら、近所の人に聴こえていないかは気になるところです。これは、音が漏れて迷惑をかけてしまうという観点と、会議の内容が漏洩してしまうのではないかという、二つの心配があります。また、ご夫婦ともにリモート ワークを実施している場合、同時に Web 会議を実施したら…もう大混乱。夫婦げんかにつながるケースもあるといいます。

2. 音の問題を解決するには?

音の問題を解決するためには、防音設備の整った家に引っ越すか、最近、注目を集めているホテルやリモート ワーク専用ブースなどを活用する人も現れています。しかし、自宅の近所に、防音の整った設備がなく、どこかに通わなくてはならないという話になれば、いつでもどこでも自分の都合に合わせて働けるリモート ワークの利便性を享受できません。

2-1. 防音物件や工事の問い合わせが殺到

最近の不動産トレンドとして、リモート ワークに適した物件を希望する人が増えているといいます。その条件の中には、もちろん音の問題も考慮されています。確かに、リモート ワークに適した個室などを用意する例もあり、好評のようですが、そもそも賃貸ではなく持ち家の人の場合、簡単に引っ越しはできません。このような理由から、リモート ワークに対応するための防音工事の相談が急増しているようです。

2-2. 低価格で実施できる音対策

しかしながら、在宅ワークのためにコストをかけて対策を行うのもナンセンスな話です。小さな費用で、これらの音問題を解決している人もいるようなので、その Tips をご紹介しましょう。

もっとも低コストの対策は耳栓やイヤホンで対処するというものです。家族が生じさせる生活音対策としては非常に有効です。好きな音楽をかけて仕事をすれば集中する人も多くいるはずです。近所の音にも悩まされることはありません。
ただし、もしも一人で在宅ワークに従事している場合、お届け物や電話の音に気付かないこともあります。そんな時には“置き配”を依頼したり、留守番電話で対応すれば良いでしょう。小さな子どもがいる場合には、常に視界に入るようにしておくなど、工夫をしたり、ご夫婦で集中タイムを分散するなどのルールを設けることで解決します。

2-3. パーテーションの活用

最近は、防音効果の高いパーテーションなどを用いて、自宅内に集中スペースを用意する人も増えています。自宅に専用のワークスペースがない場合には非常に有効な手段です。他にも個室テントやパーテーション付きデスク、段ボールのパーテーションなど自宅設置可能な軽量・コンパクトなパーソナル スタイルのブースを活用する人もいます。もちろん、10 万円以上もする本格的な「防音ボックス型」ブースも設置可能です。

2-4. それでもだめなら防音工事を

パーテーションを設置しても、完全に遮音できるわけではありません。しかし多少の音が遮られ、視界に何も入らなくなるので、仕事に集中しやすくはなります。また、在宅ワーカーが発する声や会議中の声を遮る手段としても多少の効果が期待できますが、さらにきっちり取り組みたい場合には、吸音パネルを壁に取り付けたり、防音効果の高いカーテンなどを購入する例もあります。特に窓からは音が漏れやすいので、窓枠やサッシに吸音効果のある素材を取り付けたり、防音性の高いカーテンを用いても良いでしょう。

それでも音が気になる場合、最終的には防音工事を行うことになります。防音工事には、窓の防音対策から空き部屋をテレワーク専用部屋に改造するという方法まで、いくつかの種類があります。防音工事はそれなりの費用がかかりますが、工事を実施すれば、家族が発する生活音も気になりませんし、自分が生じさせる音で家族に迷惑をかけることもありません。

在宅でリモート ワークを実施していると、家族も“仕事をしているから静かにしなくては”という、いらぬ気遣いをさせてしまいます。本来、自宅というのは仕事をする場ではなく家族がリラックスして過ごす場ですから、そうなっては本末転倒。そうならないためにも防音工事も検討事項のひとつと捉えても良いかもしれません。

2-5. 在宅時間が長くなることで生じる音問題

在宅ワークをはじめると当然、長い時間、自宅で過ごすことになります。これまで自宅にいなかった人が、ずっとそこで時間を過ごすようになることで、例えば同じマンションの下の階の人にとって不快な、新たな騒音が生まれる可能性もあります。それは床を歩く音が下の階の天井に伝わるという問題です。これはかなり深刻な問題で、下の階に神経質な人が住んでいた場合、度が過ぎると近隣トラブルに発展する可能性もあります。

そんな時には、床にカーペットやマットを敷いて振動音を低減させると良いでしょう。フローリングの床は階下に音や振動が直接伝わってしまいますが、カーペットを敷けば、振動や音は吸収されます。最近は防音機能に特化した専用の製品もあるので、チェックしてみると良いでしょう。

壁を挟んだ隣の部屋への音漏れが気になるようであれば、背の高い本棚やタンスなどを、その壁側に配置することで、音の出入りを軽減することができる可能性があります。本がぎっしり詰まっていれば、さらに効果があがり、まるで防音壁のような役割を果たしてくれます。

リモート ワーク移行のヒントが満載!

おすすめのガイドブック
Microsoft 365 で実現する安全・安心なリモートワークへの移行
Microsoft 365 で実現する安全・安心なリモートワークへの移行

3. 周辺機器活用による音対策

防音ブースや防音カーテンなど、環境の改善だけでなく、パソコンの周辺機器を用いた対策も有効です。

3-1. イヤホンやヘッドホン

「ノイズ キャンセリング機能」の付いたイヤホンやヘッドホンを使うのがオススメです。ノイズ キャンセリングとは、イヤホンやヘッドホンの材質や形状、デジタル処理などによって雑音を遮断する仕組みを指します。外部から聞こえる音だけをカットするため、相手との通話やテレワークに集中することができるようになります。

デスクの上のノート PC とヘッドセット

3-2. マイクにこだわる

また単一指向性のマイクを利用することで、家の中の雑音を拾いづらくなるので、Web 会議やミーティング中の相手に不快な思いをさせずに済みます。単一指向性のマイクとは一方向からのみ音を捉えるものです。その対義語は「全指向性マイク」と呼ばれるもので、これは自分の声の他に周囲の音も拾ってしまう恐れがあります。

3-3. 近所の人との友好な関係を構築

何よりも重要なのは、ご近所と良好な関係を築いていくことです。これまで紹介した手法はあくまで、音声を軽減するものであって、完全に解決できるものではありません。騒音トラブルを回避するためにも、ぜひ周囲に対する気遣いを忘れずにいてください。マンションやアパートではたくさんの人が生活しており、生活の様式や行動、価値観がそれぞれ異なります。それを理解した上で、相手に配慮するカタチで音の問題と向き合ってください。

また家族など、一緒に住んでいる人の間で話し合い、「10 時から 12 時までは家事をしない」などのスケジュールを共有すると良いでしょう。それによって、お互いの計画を立てやすくなることは間違いありません。

4. コミュニケーション ツールによる音対策

さらにコミュニケーション ツール側で会話に不必要な騒音を除去する方法があります。

4-1. 「Microsoft Teams」のノイズ除去機能

2020 年 12 月から「Microsoft Teams」にノイズ除去機能が実装されました。このノイズ除去を有効化すると、自分の声以外、Web 会議の邪魔になりそうな周囲の音をカットできます。「Microsoft Teams」はマイクロソフトが提供しているグループウェアで、チャット・通話機能の他、ビデオ会議機能、ファイル共有機能、Office アプリとの連携機能があります。コロナ禍の影響もあってか、Teams の利用者は急増しています。日本マイクロソフトによれば、日本国内における「Microsoft Teams」利用者数は、1 億 4500 万人にのぼり、日経225 の 94% にあたる企業が利用しているといいます。もちろん、その多くが Web 会議用のツールとして活用。会議中に発生するノイズの悩みを解決することで、さらに利用者が増えているようです。

4-2. ノイズ除去機能の使い方

使い方も簡単。Teams アプリの右上にあるアイコンをクリックし、「設定」を選択し、「デバイス」をクリックすると、ノイズ抑制の設定が表示されます。ノイズ抑制の設定値は、自動 (既定)・高・低・オフの 4 種類があり、「高」を選択します。以降の Teams 会議ではノイズ キャンセリングが有効になります。
ノイズ除去機能を有効にすることで、チャイムの音などの生活音はほとんどカットされます。また、会議中にメモを取るためのキーボード音や紙のノートなどをめくる音も驚くほどカットされます。その一方で自分が話す声は他の会議参加者にクリアに聞こえるという、まさに優れものの機能といえます。

4-3. とにかく周囲への気遣いは忘れずに

音の問題は自分が集中できないという自己都合もさることながら、家族や近所の住民にも波及する可能性があるものです。不要のトラブルを避けるためにも、まずは相手の立場に立った対策を講じてください。在宅ワークがはじまったために、家族間、もしくは近所トラブルが激しくなるようでは、まさに本末転倒です。結局、自分自身が快適な在宅ワーク時間を過ごすためにも、周囲への気遣いは必須と言えます。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

リモート ワーク移行のヒントが満載! おすすめのガイドブック

Microsoft 365 で実現する安全・安心なリモートワークへの移行

Microsoft 365 で実現する安全・安心なリモートワークへの移行

セキュリティ対策で、いつでもどこでもデータやアプリに安全にアクセスできます。

ご購入検討の問い合わせ先

電話アイコン

お電話で購入相談

受付時間: 9:00 - 17:30 (土日祝日、弊社指定休業日を除く)

封筒アイコン

Web フォームで購入相談

本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。