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S I E M とは? 導入によってできることについて解説

2023 年 2 月 14 日

適切なセキュリティ対策を行い、企業の有する情報を正しく管理することは、セキュリティ インシデントの発生を防ぐために不可欠です。
セキュリティ対策を怠っていると、情報の漏洩や紛失によって社会的信用を失い、大きな損失を被るおそれがあります。
セキュリティ対策には従業員全員で取り組んでいく必要がありますが、サイバー攻撃は年々複雑化しており、完全に防ぐことは困難といえるでしょう。
そこで効果的なのが S I E M の導入です。本記事では、セキュリティ対策に効果的な S I E M とは何か、メリットや主な機能について解説します。

Security Information and Event Management の文字と PC のイラスト
  1. S I E M の概要
    1-1. S I E M とは
    1-2. S I E M のしくみ
  2. S I E M 導入でできること
    2-1. ログの一元管理が可能
    2-2. セキュリティ インシデントを早期に発見できる
    2-3. 内部不正への対応が可能
  3. S I E M の導入の流れと導入の際の留意点
    3-1. S I E M の導入の流れ
    3-2. S I E M 導入の際の留意点
  4. 「Azure Sentinel」を導入してログを一元管理
    4-1. Azure Sentinel の概要
    4-2. Azure Sentinel の特長
  5. まとめ

1. S I E M の概要

1-1. S I E M とは

S I E M とは「Security Information and Event Management」の略称で、日本語では「セキュリティ情報イベント管理」と訳されます。
さまざまな I T 機器のログを一元管理し、そのログを解析することで、サイバー攻撃やマルウェア感染などのインシデントにつながる脅威を検知し、原因の特定やセキュリティ対策に必要となる情報の調査を行うセキュリティ製品です。

1-2. S I E M のしくみ

S I E M の一般的なしくみとして、ログ管理、ログ分析、リアルタイム監視および自動通知があります。

ファイアウォール、アプリケーション、SWG、サーバーからのログ収集からシステム管理者への通知までの SIEM のしくみを示した図
  • ログ管理
    ファイアウォールや SWG などさまざまな機器、サーバー、アプリケーションから膨大な量のイベント ログを収集します。収集したイベント ログを可視化できる機能もあります。
    それぞれの機器、サーバー、アプリケーションからログを確認するのではなく、S I E M にて収集したすべてのイベント ログを確認できるため効率的です。

  • ログ分析
    収集したイベント ログを相関分析して、異常を検知します。
    たとえば、普段とは別の機器からアクセスがあった場合や、ユーザーの動きが普段とは違う場合などに、S I E M にて相関分析を行うことで脅威を検知することが可能です。

  • リアルタイム監視および自動通知
    S I E M は収集したイベント ログより、脅威をリアルタイムに検知します。
    また検知した後、管理者に自動で通知を行うことで、脅威への迅速な対応が可能となります。

2. S I E M 導入でできること

S I E M の導入によって、できるようになることを紹介します。

2-1. ログの一元管理が可能

通常、I T 機器のログは機器ごとに保存と管理をされますが、S I E M では複数の I T 機器のログを一元管理することが可能です。

2-2. セキュリティ インシデントを早期に発見できる

S I E M では、リアルタイムでのログやイベント データの監視と相関分析を実施します。
これにより、セキュリティ インシデントの早期発見につながるでしょう。
また、セキュリティ インシデントを発見した場合、管理者にアラートでの通知が行われるため、迅速な対応が可能となります。

2-3. 内部不正への対応が可能

ユーザーのアクセスや行動を機械学習し、相関分析を行うことで、普段とは異なるアクセス頻度などの怪しい行動を察知することが可能です。
そのため、従業員による内部不正やデータ持ち出しの検知、抑制にもつながります。

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3. S I E M の導入の流れと導入の際の留意点

S I E M 導入の流れと、導入する際の留意点を紹介します。

3-1. S I E M の導入の流れ

S I E M を導入するには、PC に S I E M 製品をインストールし、各種設定を行う必要があります。
具体的には、対象となる I T 機器のログを収集するための基盤構築、ログをどのように分析するかの設定、不審なログやアクセスに対してのアラート設定、運用を自動化するための設定などの初期設定が必要です。

3-2. S I E M 導入の際の留意点

  • PC 容量の確認
    S I E M を導入する PC の容量が確保できているかを確認しましょう。ログを収集することで、容量が圧迫することがあります。

  • 運用体制を整える
    インシデントを検知した後、迅速な対応ができるように体制を整備しておく必要があります。

  • S I E M 製品の選定
    S I E M は製品によって機能やコストがかなり変わってきます。複数の S I E M について機能を比較し、相見積もりをとりましょう。
    特に、管理できるログ容量、追加機能などの柔軟性、導入実績の確認は欠かせません。自社の業務やログ管理方法などの選定基準に合っているものを選ぶことが重要です。
    また、導入実績は信頼性のある S I E M 製品であるかも検討材料となります。

4. 「Azure Sentinel」を導入してログを一元管理

Microsoft Azure Sentinel の概要と特長を紹介します。

4-1. Azure Sentinel の概要

Microsoft Azure Sentinel Web ページのスクリーンショット

Azure Sentinel は、Microsoft が提供している、クラウド ベースの S I E M 製品です。
収集したイベント ログを統合管理し、高度なセキュリティ分析と脅威インテリジェンスによりアラートの検出や脅威の検知をすることで、サイバー攻撃からシステムを保護します。


4-2. Azure Sentinel の特長

  • ログ利用量による従量課金制
    収集したログがワークスペースに格納されたデータ量に対して、ギガ バイトごとに課金される従量課金制です。

  • セキュリティ管理の自動化による人的コストの削減が見込める
    扱うデータ量が多いほど、セキュリティ アラートやインシデントは発生しやすくなります。
    セキュリティ アラートやインシデントが大量に発生すれば、管理コストが多くなるほか、管理者以下が脅威を見逃してしまうおそれもあるでしょう。
    そこで Azure Sentinel では、修復アクションを設定することで、脅威への対応を自動化できます。これにより、人的コストの大幅な削減が可能です。

  • Microsoft Defender for Business と組み合わせることができる
    S I E M はデバイスやサーバーなどのログ情報を収集、分析して管理する機能です。しかし、S I E M のみですべての脅威を防ぐのは困難と言えます。
    そこで、Microsoft の Endpoint Detection and Response 機能である Microsoft Defender for Business で補うのが有効です。
Microsoft Defender for Business Web サイトのスクリーン ショット

(画像出典:Microsoft Defender for Business Web サイト)

 

Microsoft Defender for Business では、コンピューター システムのエンドポイントにおいて、脅威を継続的に監視できるため、Azure Sentinel と組み合わせることで、強固なセキュリティ体制を構築できます。

5. まとめ

サーバー攻撃やセキュリティ事故は多様化しており、完全に防ぐことは困難です。しかし、脅威に対して迅速な検知と対応ができる環境を整えておくことで、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
S I E M は、セキュリティ インシデントの検知と対応に有効な手段であり、多くの企業が取り入れています。
特に、Microsoft 社が提供している Azure Sentinel は、高度なセキュリティ分析と脅威インテリジェンスによる安定したシステム保護が可能な、信頼性の高い製品です。
S I E M の導入を検討している企業は、セキュリティ対策の一貫として、ぜひ Azure Sentinel を試してみてはいかがでしょうか。

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