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実現可能!? リモートワークでの週休 3 日制導入

2021 年 8 月 10 日

2021 年の初頭から、急激に「週休 3 日制」という言葉がメディアをにぎわせるようになりました。もちろん、昨今、政府主導で進められてきた“働き方改革”の一環として生まれた取り組みなのでしょうが、果たしてどのくらいの割合で浸透しているのか。「週休 3 日制」の現状と今後について考察したいと思います。

1. 週休 3 日制の導入 (現状と制度)

まずは制度の概要と浸透度など、基本知識を整理していきます。

1-1. 「週休 3 日制」が現実味を増してきた

政府主導で推進されている「働き方改革」。その具体的な施策として、リモートワークやフレックスタイム、時短勤務などの制度導入が推奨され、ワークライフバランスの実現に努める企業が増加しています。
その一環として、現在、各企業で議論が進められているのが「週休 3 日・週 4 日勤務」制度でしょう。「週休 3 日制」とは文字通り、1 週間あたりの労働日数を減らし、休日を 3 日設ける制度。近年、この週休 3 日制を採用する企業が微増しています。

元はといえば、2021 年 4 月、メディアが取り上げたことで「選択的週休 3 日制」が話題になりました。そのきっかけになったのは、政府内で起こった議論。「働き方改革」推進の一環として、働き方の選択肢を増やすという目的がありました。その後、政府の「骨太の方針」に盛り込まれ、各企業に呼びかけるなど、どんどん現実的になっていきました。

当初は前述の通り、ワークライフバランスの実現や、多様な働き方が選択できるというメッセージで推進していましたが、2020 年に起こった新型コロナウイルスの感染拡大防止観点から、この週休 3 日制の導入の検討を開始する企業が増えているようです。

1-2. 現時点における「週休 3 日制」の浸透度は?

果たして、どのくらいの数の企業が「週休3日制」を取り入れているのか。そのヒントとなる調査データがあります。平成 29 年に厚生労働省が実施した「就労条件総合調査」によると、「何らかの週休 2 日制」を採用している企業が 87.2%。そのうち「完全週休 2 日制」を採用している企業が 46.9% に上っていました。

注目したいのは「完全週休 2 日制より休日日数が実質的に多い制度」を採用している企業ですが、なんと 6.0% となっていました。1000 人以上の企業規模で見ると、この割合は 11.1% にのぼります。すなわち、大手企業では、10 社に 1 社以上が「完全週休 2 日制」以上の休日制度を採用していたということです。

また厚生労働省の 2020 年の就労条件総合調査よると、週休を 3 日以上としている企業は 8.3% であり、2010 年の調査結果である 3.9% の 2 倍以上に。このことからも、週休 3 日制を導入する企業が増加傾向にあることがわかります。

実は政府自体も「選択的週休 3 日制」の導入を検討しているようです。この「選択的週休 3 日制」とは、希望者が理由を問わずに週休 3 日制を選択できるというもの。一般的な週休 2 日制度の会社であっても「週休 3 日」という選択が増えることで、ライフスタイルに合わせた働き方が実現できるようになります。

週休 3 日制は、働く人に好影響を与えます。時間的な余裕ができれば、休日を活用して副業ができるようになれます。地方に拠点を置く、多拠点生活もやりやすくなります。子育てや介護に時間を費やすことができます。企業にとっても、もちろんワークライフバランスを実現できる企業として対外的にアピールができます。求職者からの注目が集まり、有能な人材が集めやすくなるかもしれません。もちろん、現在、勤務中の社員にとっても好都合でしょう。モチベーションの維持に役立つのは間違いありません。

1-3. 「週休 3 日」制度を導入している企業

一体、どのような企業が実際に「週休 3 日」制度を導入しているのでしょうか。主な企業をご紹介します。「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング社は、「1 日 10 時間×土日を含む週 4 日の勤務」で週休 2 日制と同様の給与を支給する変形労働制を導入。日本マイクロソフトは、2019 年、2020 年と試験的に選択制の「週休 3 日制」を導入。土日に加え金曜日を休業日としました。その結果、印刷枚数と消費電力量の削減ができたほか、プライベートを充実させる従業員も増えたのだと言います。

ヤフーでは、育児や介護など、サポートが必要な家族がいる従業員を対象に「週休 3 日制」を選べる「えらべる勤務制度」を導入。従業員の申請によって月単位で自分が働く曜日を変更できるだけでなく、週休 2 日制への復帰も自由としています。みずほフィナンシャルグループでは、従業員本人の希望によって週休 3 日・4 日制を選択できる制度を導入。給与は週休 3 日の場合、従来の 8 割、週休 4 日の際は従来の 6 割の仕組みとなっています。リクルートホールディングスは、年間所定労働時間と給与を変えずに年間休日を増加する体制を採用。週に換算すると週休約 3 日になります。

上記の具体的制度を見てもわかるように、「週休 3 日制」と一言でいっても、様々なスタイルがあります。例えば、労働時間を削ることで基本給も減少するパターンや、労働時間も給与もそのままで、1 日の労働時間を増やすことで、給与は変えずに休日を増やすというパターン。そして労働時間は減らし、給与はそのままというパターンがありますが、これは生産性向上とセットで実施するのが望ましいようです。

2. 「週休 3 日制」のメリット・デメリット

もちろん、メリットばかりではありません。
週休 3 日制を企業が導入するデメリットと併せて説明します。

2-1. 「週休 3 日制」のメリット

従業員にとって最大のメリットとなるのは、多様な働き方ができる点にあるでしょう。休みが 3 日になるため、自分のライフスタイルに合わせた多様な働き方をすることが可能になります。単身赴任者は、金曜日または月曜日を休日に設定することで、自宅へ帰りやすくなります。
週休 3 日制によって従業員は家族との時間を多く確保できるようになります。プライベートが充実することで、仕事へのモチベーションが上がり、会社全体の生産性向上につながります。また、勉強に充てられる時間を多く確保できるため、キャリアアップにも効果的です。副業が許される会社では、本業を活かした副業を始めるなど、学びや副業の経験を仕事に還元することもできるようになります。

2-2. 企業側のメリット

企業にとってもメリットは多くあります。ライフスタイルに合わせた多様な働き方ができる職場は、社員にとっては大変魅力的です。社員それぞれの事情に合わせた働き方が可能になり、育児や介護による退職者の減少や、今まで育児や介護でキャリアを諦めざるを得なかったような社員にも活躍のチャンスが生まれます。また、週休 3 日制を用意し、ワークライフバランス推進に力を入れる企業として評価され、求人も優位になります。

また、時差出勤やリモートワークと組み合わせることで、1 日あたりの出社人数を減らすことができます。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からもメリットがあるといえるでしょう。

2-3.「週休 3 日制」のデメリット

人がいないオフィス

それでは、週休 3 日制を導入した場合に生まれるデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。「休日が増える」と聞くとメリットしかないように思われますが、実は反対意見もあり、議論が続いている企業もあるようです。まず、勤務日数が減ることで、業務が停滞する恐れがあるという点です。ただでさえ忙しい職場で、就業時間が短くなれば、当然、従業員の負担は大きくなります。今までと同じ仕事量をこなさなければならないとなると、当然、さらなる効率化が求められます。

また、出社人数が減れば、当然、関係者全員が出社している時間も少なくなるため、必要不可欠なミーティング回数も少なくなります。そのため情報共有やコミュニケーションが不足する可能性があります。それは社内だけでなく、取引先との関係においても同様に、接点が減る可能性があります。こちらが設定した休日と顧客の休日が合致しなければ、いざというときにコミュニケーションがとれなくなる可能性があります。スムーズな取引が継続できなくなるかもしれません。また、従業員がそれぞれに休暇が設定できる「選択的週休 3 日制」となった場合、週休 2 日と週休 3 日の人が混在する状態となるため勤怠管理も複雑になります。人事や総務の担当者の負担が大きくなります。

2-4. 給与体系の見直しが必要

もっとも大きな課題は、給与体系の見直しが必要になるという点です。週休 2 日と週休 3 日の人が混在すると、それぞれに総労働時間が異なるので、これまでと同じというわけにはいきません。不公平なく、誰もが納得する給与体系を再構築する必要があります。このような課題があることから、多くの企業が慎重に週休 3 日制の導入を検討しているのでしょう。週休 3 日制メリット、デメリットを理解したうえで、自社の現状を分析し、社員の話も聞きながら検討を進めたいところです。

これらのデメリットを最小限に抑えるキーワードは「業務効率化」と「コミュニケーション」です。これを機に日常業務の見直しを行い、自社の業務スタイルに合致するコミュニケーションツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

3. リモートワークと週休3日制の関係

少しずつではありますが、週休 3 日制の導入の検討を始めている企業は増えています。その流れは大企業から中堅企業へと波及しつつあります。そんな中、コロナ禍の影響によってリモートワークの急激な普及が進んでいます。リモートワークと週休 3 日制は、どのように併せて運用すべきなのか、探ってみたいと思います。

ヘッドセットをつけて PC に向かって話をするビジネス パーソン

3-1. 週休 3 日制の存在感が薄まっている

社員の本音としては、週休 3 日制よりもリモートワークの方が歓迎すべき制度になっているうようです。なぜなら、各々のライフスタイルにあった柔軟な働き方が実現できるという目的は、リモートワークも週休 3 日制も同じです。どちらも介護や育児のために時間を割くことができたりしているとの声があがっています。

しかし、大きな違いがあります。それは給料です。リモートワークは通勤時間がなくなった分、そこを有効に活用できます。勤務時間そのものは変わりません。なので、給料が減るという心配はありません。ところが週休 3 日制を採用した場合、総勤務時間が減るわけですから、場合によっては給料が減る可能性もあります。

せっかく家族のために使える時間が増えたとしても収入が減っては困ってしますというというのが本音らしく、リモートワークが普及したことで、週休 3 日制度は存在感のない制度になっていると受け止められているようです。

3-2. 周囲の理解が進んでいない?

また、実際に「選択的週休 3 日制」を導入している企業に勤務する社員の心情も複雑です。やはり週 4 日の勤務では仕事が忙しすぎるという声があがっています。逆に負荷が大きくなるというイメージがあるようです。また、周囲の同僚や先輩社員のなかに週休 3 日を選択する人がほとんどいないで、その制度自体を使いにくい雰囲気もあるという声も。週休 3 日を選ぶことで評価に響くのではという心配もあるようです。なかなか理解が進んでいない現状が見えます。

3-3. ポジティブな声も

ポジティブな声としては、選択的週休 3 日制の導入と同時に、副業が解禁になった点を評価するというものがあります。収入面もさることながら、本当に自分がやりたい仕事にチャレンジしたり、独立や起業など、来たるべき将来のために少しずつ準備を進めている人もいるようです。

4. 週休 3 日制を導入するために必要なこと

週休 3 日制を導入するため必要なことやものについてまとめてみました。

4-1. 綿密なスケジュール管理

週休 3 日制を導入すると重要なのが、従業員のスケジュール掌握です。メンバー同士の会議はもちろん、期限付きの仕事であればなおさら、休日を考慮したスケジュール管理が求められます。自分の休みを考慮した上で、部下のスケジュールを管理して、的確な報連相さえ滞ってしまいがちです。毎日誰かが休んでいる状態になると、社内のコミュニケーションにも影響がでる可能性があります。そうならないためにも、こまめにコミュニケーションをとり、互いの仕事の進捗を報告しなうのも重要です。

4-2. 業務の見える化

まさに自主性が問われる世界です。また顧客からの問合せに対しても「担当者が不在なのでわかりません」では済みませんし、実際に休みが増えるので、直接確認が難しくなります、やはりチームが一丸となり、誰もが顧客対応できるように、業務の見える化や情報共有しておくことが重要になります。

4-3. 管理職の役割

マネージャーはメンバーの働き方に、今まで以上に気を配る必要があります。業務量や仕事の進め方はそのままで、週休 3 日制に移行した場合、長時間残業につながる可能性もあります。一部の社員に業務が偏っている場合などは、業務分担の見直しを行う必要があります。週休 3 日制になることで、労働時間、残業代が減ることへの抵抗感も大きいため、従業員との合意も重要です。そのため慎重に検討を進めていく必要があります。導入の目的を明確にして、社内にしっかりと伝え、就業規則や人事評価制度を見直すべきでしょう。目的はあくまで、従業員の働きやすさの実現だということを理科してもらう必要があります。

5. 週休 3 日制を可能とする IT ツール

本章では、週休 3 日制のマネジメントを容易にする IT ツールについて説明します。

5-1. コミュニケーションを補完するツール

週休 3 日制を価値のある取り組みとするためには、上記で説明してきたコミュニケーション不足を解消しつつ、業務効率を見直しながら生産性をあげる必要があります。そこにはテクノロジーの力が必要であることは言うまでもありません。
コミュニケーションの補完、および円滑な情報共有はもちろん、複雑になる労務管理、勤怠管理も「Microsoft 365」に代表される多機能なグループウエアを活用することで課題解決可能です。

「Microsoft 365」は、Outlook、Word、Excel などの生産性向上アプリやサービスを統合した「Office 365」に加え、Exchange Online や SharePoint Online、OneDrive for Business、Microsoft Teams など、チームやプロジェクト単位のコミュニケーションを活性化させるためのツールが含まれています。

5-2. 多様化する働き方に対応可能な「Microsoft Teams」

特に活用したいのが、「Microsoft 365」に含まれる Teams です。この「Microsoft Teams」はマイクロソフトが提供しているグループウエアで、チャット・通話機能の他、ビデオ会議機能、ファイル共有機能、Officeアプリとの連携機能があます。
「Microsoft Teams」を活用すれば、スピーディな情報の共有はもちろん、メンバーのスケジュールやタスク管理、ファイル共有などが容易に可能となります。

フレキシブルとなりがちな従業員の勤怠管理を「Microsoft Teams」のスケジュール管理ツール「Shifts」を利用する方が多いようです。またメンバーの作業状況をひと目で把握できる「Microsoft Planner」などが活用することでメンバーへのタスクの割り当てや、進捗の確認がすばやく行え、一目で把握できます。「Microsoft 365」および「Microsoft Teams」は、週休 3 日制のみならず、これからの多様な働き方に対応する優れたアプリケーション群といえます。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

Teams 無料トライアル 初期セットアップ方法

Teams 無料トライアル (マイクロソフト Web サイト版) の初期セットアップ方法を、分かりやすくステップバイステップで紹介しています。
ノート PC を操作する人物と Microsoft Teams 検索していることを表すイラスト

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