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デジタル トランスフォーメーション (DX) を活用して得られる新たな顧客体験 (CX) を提供するには

2022 年 7 月 18 日

あらゆる企業活動においてキーワードとなっている「顧客体験 (CX)」という言葉。DX と深い関係があると言われています。本記事では、DX と CX の関係性や、それぞれの本質を理解。自社サービスにおける CX 向上に役立つヒントをお伝えできればと思います。

1. DX の本質

まずは、DX の概念について簡単にまとめておきます。

1-1. "変革" を意味する DX

ここ数年の間に、「DX」という言葉が日本の産業界に浸透してきているように感じます。DX とは「デジタル トランスフォーメーション」の略語で、デジタルによってビジネス モデルや社会構造そのものを "変革" するという意味合いで使用されています。


1-2. 経済産業省が定義する DX

日本における DX の定義については、経済産業省が発表するガイドラインの中にある「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネス モデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」という記述がフィットします。すなわち、単に IT ツールを導入したり、システムを刷新することが DX ではなく、デジタルを活用することで、ビジネス モデルや働き方、産業構造自体を変革するものと認識すべきでしょう。

2. 顧客体験 (CX) とは?

近年、DX と CX は切り離せない関係にあると言われています。まずは CX とはなにか? その基本概念を理解する必要があります。


2-1. 顧客体験の重要度が急激に高まっている

顧客体験 (CX = カスタマー エクスペリエンス) は、顧客が製品やサービスと接触し興味を持った時点から、購入して利用し続けるまでの体験、すなわち企業における顧客接点と、それらに基づき顧客が企業に対して持つ評価を指す言葉です。これまでも顧客満足度を意識した施策や顧客サービスなどを実施する企業も数多くあり、顧客体験自体、特に目新しい概念ではないのですが、この顧客体験の重要度が急激に高まっている印象があります。


2-2. 顧客体験が重視されるようになった背景

顧客満足度を意識した取り組み自体、あるにはありましたが、その多くがトラブルやクレーム対策、接客の向上など部分的な目的を満足させるものでした。一方の顧客体験は、商品を知った段階から購入、アフター サービスまで、商品と顧客が接点を持つすべての段階で満足度の高いサービスを提供する必要があります。
この顧客体験が重視されるようになった背景には、テクノロジーの進化があげられます。ICT の普及やパソコンやスマホ、タブレットなどデバイスの進化により、顧客と企業の接点は増加しています。顧客は必ず、Web サイトを通じて商品や企業について調べますし、SNS などで口コミを収集するケースもあります。逆に、利用者がブログや SNS、口コミサイトなどを通じて、商品やサービスの情報を投稿。企業からの一方的な情報発信や広告だけでなく、消費者自らが情報を得られるようになり、顧客と企業との接点はさらに増加・複雑化しています。もはや部分最適としての顧客満足では、十分な対策を打つことはできません。顧客と企業のすべての接点、すなわち顧客体験 (CX) を高めてロイヤルティ向上を目指すことが必要になります。


2-3. 顧客にあわせた商品設計・サービスの機能向上が可能に

顧客体験が重視されるようになったもうひとつの理由として、IT 技術の進歩によってデータ取得・活用の技術が発展していることもあげられます。例えば、EC の場合、どのようなルートで流入して購買に至ったのか、顧客の位置情報、顧客の購買情報など多くのデータの取得が可能です。これは、お店に行ってお金を払って購入するという、従来の "お買い物" では実現できなかったことです。
また、より細かな顧客情報を得られるようになったことで、顧客にあわせた商品設計・サービスの機能向上が可能になりました。


2-4. CX により企業ロイヤリティが形成

また、継続利用により収益をあげるビジネス モデル、すなわち音楽配信や動画配信などのサブスクリプションやクラウド上でソフトウェアを利用する SaaS などのサービスが増加している点もあげられます。継続利用してもらうには、長期的に良好な関係を保つための施策が重要になります。すなわち、ここにも顧客理解と、そのうえで提供する顧客体験の改善が重要になります。そして、商品の満足度だけでなく、トータル サービスのクオリティが評価されてはじめて、商品を提供する企業が評価される、すなわちロイヤリティが形成されるという、総合評価が物を言う時代になったことを意味します。


2-5. CX 向上のポイント

顧客と企業の接点が複雑になったといわれる個の時代に、顧客の体験価値を向上させ、ロイヤリティを形成できるのでしょうか。まずは現状の顧客体験を把握・整理するところからはじめるべきです。どのような顧客との接点が存在するのか、どのような選択肢があるのか、顧客の購買行動・思考のプロセスを細分化する「カスタマー ジャーニー マップ」を作ります。それを元に、サイトのアクセス解析やユーザー レビュー、ソーシャル リスニング、カスタマー サポートに寄せられた声などを集めて分析。それぞれの課題を抽出します。そして、抽出された課題から仮説を立て、ユーザー インタビューやアンケートを実施することで、課題をさらに明確にし、明確になった課題に対し、改善施策を立案、実行します。

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3. DX と CX の関係

本章では DX と CX (顧客体験) の関係について、解説をしていきます。

笑顔でスマートフォンを操作する人物

3-1. DX と CX は相関関係にある

CX は企業の新たな評価軸として認知されつつあります。実際、先進的な企業では CX 観点の取り組みにいち早く着手し、良質な顧客体験を提供し成果をあげています。しかも顧客接点は、商品・サービスの検討段階から購入後のアフター フォローに至るまで数多くあり、それぞれの CX を向上させる手法も多岐に渡ります。DX は、これら CX の情報収集に役立つのはもちろん、DX を進めることで CX そのものが向上するという側面もあります。すなわち DX と CX は相関関係にあり、共に連動しながら向上、推進することが必要です。


3-2. CX と UX の違い

CX と混同されがちな概念に「UX = ユーザー・エクスペリエンス」というものがあります。この UX は、「使用者体験」と訳され、ユーザーが商品・サービスの利用を通じて得る体験を意味します。主に使い勝手や利便性など機能的な体験に加え、商品に対するユーザーの印象や感情も含まれます。一般的に、UX と CX では、体験の範囲が違っています。CX は商品・サービスの認知から購入後まで、あらゆるフェーズを対象とする一方、UX は使用フェーズのみを対象としており、UX は CX に含まれています。


3-3. DX によるコミュニケーション向上

CX 向上を実現するために DX を活用するという流れの中で、特にコミュニケーションを必要とする顧客接点では、テクノロジーへの置き換えによって、CX 向上の期待も高まります。例えば、AI による顧客の行動分析により、最適なチャネルで届けるという手法は、多様化するチャネルに対応する重要な取り組みです。顧客は自分の都合に合わせて、好きな場所、好きな時間に商品を受け取ることで、CX 向上に繋がります。このようなオムニチャネルという施策は、テクノロジーの力なくしては実現できないでしょう。


3-4. 顧客ニーズの掌握に必要な DX

経済産業省が「DX レポート」で発表する DX の定義の中に「顧客や社会のニーズを基に」という一節があります。この「顧客のニーズ」を把握するうえで欠かせないのが DX です。顧客とのコミュニケーションから得られるインサイトから分析して、潜在ニーズを引き出し、購買欲求へと顕在化させます。

EC サイトを持っていれば、購買情報や Web サイト・アプリ、店舗などの行動履歴などのデータを取得できますが、それはあくまで既存の顧客です。企業が欲しいのは、新しい顧客層であり、ニーズです。そこに加えるべきは、メイン ターゲットとしている顧客層がどのようなチャネルを利用しているかの情報です。スマートフォンか Web か、メールや電話、あるいは SNS やチャットなど様々なチャネルの中から最適なものを選び、最適なタイミングでアプローチすることで、潜在ニーズを持つ新しい顧客層の購買意欲を喚起します。


3-5. DX は、CX を改善する手法のひとつ

あくまで DX は、CX を改善する手法のひとつであって、CX を向上する方法は DX だけに限りません。製品やサービスによってはデジタル テクノロジー以外でも CX を向上させられる可能性があります。例えば、商品購入後の問い合わせ窓口となるカスタマー サポートのクオリティ アップもそのひとつ。問い合わせ方法が電話に限定されていて、しかも電話もなかなかつながらなければ、顧客は不満を持ちます。さらにオペレーターの対応が悪ければ、企業イメージの低下に繋がりかねません。それに対して、問い合わせ方法が電話だけでなく、メールやチャットなど複数用意されていて、しかもオペレーターの対応が良ければ信頼感は高まります。要するに、DX を推進するだけですべてが解決するわけでないということです。


3-6. DX と CX の両方をバランスよく機能させる

デジタルなくしてサービスや事業が成立しない時代の中で、DX は CX 改善により深く関係するようになりました。これまで感覚的に把握していた顧客動向やニーズを可視化し、それをもとにサービスを向上することいができるようになりました。まさに、それは事業やビジネス モデル根底から変革する DX の精神そのものといえます。

ICT が進化した現在においては、DX と CX の両方を機能させることが重要です。CX 改善のために DX は不可欠とも言えますが、どちらかが先行するのではなく、バランス良く進めるのが重要です。よくありがちなのは、CX に注力するあまり、顧客のためにと考えたサービスが他社と差別化できなくなると言う現象もあります。顧客のニーズだけでなく、自社の個性や強みも活かすべきです。また、顧客のニーズを意識しすぎるあまり、商品開発に投資しすぎて、経営が悪化するというケースもありえます。何事もバランスは重要です。商品・サービスの改革と顧客体験の向上を両立させることが重要です。

4. マイクロソフト社の取り組み

CX を向上させて、企業のロイヤリティを向上させることが重要性であると同時に、CX 向上のためには、DX の本質を正しく理解し、実行する力が必要だと言うことも理解できました。しかし多くの企業、特に中小企業においては、何をどのように始めればいいのか、見当もつかないという声も聞かれます。そんな時に活用したいのが頼りになるパートナーのサポートです。


4-1. ハイブリッド ワーク推進で活躍する「Microsoft 365」

日本マイクロソフトは、「市場・お客様のデジタルトランスフォーメーション (DX)」に注力。クライアントの変革を支援しています。特に中小企業に対し、「ハイブリッド ワークの推進」「ビジネス プロセスのデジタル化」「スタートアップ企業と連携したインダストリー DX」といった 3 領域における支援、コンサルティングを行っています。

ハイブリッドワークにおいて重要視すべきは、適正な文書管理です。企業にとって重要なノウハウやナレッジは、文書によって蓄積されますし、いつでも、どこからでも文書が共有される体制の構築が必須となります。社内文書の管理に必須となるグループウエアの代表格として認識されるのが「Microsoft 365」です。

「Microsoft 365」には、実に様々なアプリが用意されていますが、文書管理についても OneDrive、Teams、SharePoint といった 3 つのアプリを活用することができます。OneDrive はマイクロソフト社のクラウドストレージサービスで、Office ファイルをはじめ、画像や動画など、あらゆるデータを保存できる場所として認識されています。もちろん、他のユーザーとデータの共有や共同編集もできます。Teams は、特定のメンバーでのコミュニケーションやファイル共有、オンライン会議ができるアプリ、SharePoint は、限られたメンバーだけがアクセスできる企業内ポータルサイトなどを作成するアプリ。そこでさまざまな情報やデータを共有・一元管理することができます。

また新しい働き方が急速に普及するにつれ、以前よりも強く求められるようになったのがセキュリティ対策です。最新のセキュリティ対策として注目を集めているのが「ゼロ トラスト」という概念です。社内も社外も "何も信頼しない" を前提に対策を講じるセキュリティの考え方ですが、Microsoft 365 を採用することによって、企業はゼロ トラストを実現することができます。

さらに、Microsoft 365 に搭載されている Power Apps でアプリ、Power Automate でワークフローを、それぞれ簡単に作成することも可能。自分たちが本当に必要とし、使いやすい機能をスピーディに追加することで、自社の実情に合った DX を推進することができます。 


4-2. 日本マイクロソフトの取り組み

DX の推進には、クラウドシフトも不可欠です。日本マイクロソフトでは、全国の中小企業に対し、「Microsoft 365」を中心としたクラウド活用による DX 推進を支援。キャンペーンやウェビナー、クラウドサービスの導入・活用の支援活動に注力。相談窓口を設置し、リモート ワークやハイブリッド ワークの導入方法、Microsoft 365 のデモンストレーションなどを案内。中小企業に寄り添いながら、DX 推進を支援しています。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。
これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

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